一の効用を有する一組の資産|譲渡所得
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
1 下図の土地・家屋が収用事業のために買収され、補償金の支払いがありました。母は特別控除(措法第33条の4)の適用を受け、子は課税の繰延べの特例(措法第33条)の適用を受けます。子は、課税の繰延べの特例の適用に当たり、租税特別措置法施行令第22条第5項(一組法)の規定を適用したいと考えています。この場合、当該土地は、居住の用に供される一組の資産といえますか。すなわち、同項の規定では、「区分の異なる2以上の資産で一の効用を有する一組の資産」と規定していますが、本件のように2人で一組の資産を有していた場合において、土地のみの譲渡をした者について同項の規定を適用することができますか。
2 甲は、収用対象事業のため居住の用に供している土地を譲渡し、対価補償金4,800万円と建物の取壊しによる補償金3,500万円を取得しました。
甲は、当該補償金で、居住用の土地・建物を4,000万円で取得し、その他の土地を4,200万円で取得しましたが、この場合、租税特別措置法第33条の適用上、次のような組合わせにより、すべての取得資産を代替資産とすることができますか。
【回答要旨】
1について
租税特別措置法施行令第22条第5項の規定は、譲渡資産が区分を異にする2以上の資産で一の効用を有する一組の資産となっている場合に適用されるものであることは明らかですが、他の者の有する資産と合わせて一組の資産となっている場合にまで同項の規定の適用があると解することはできません。同項の規定は、同一の譲渡者について効用を同じくする一組の資産につき代替資産とするものですから、照会に係る子の譲渡した土地につき同項の規定を適用することはできません。
2について
代替資産とすることができます。
【関係法令通達】
租税特別措置法第33条
租税特別措置法施行令第22条第4項、第5項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/14/21.htm
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