耕作権を交換譲渡し農地を交換取得した場合|譲渡所得
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
農地の耕作者甲は、耕作権の一部を地主乙に返還し、乙から底地を取得しました。つまり、耕作権と底地との交換をしました。
農地について所有権を移転するには、農地法により知事の許可を要しますが、農地を農地のまま移転する場合の許可は、取得者が相当規模の農地を耕作している者に限られています(農地法3)。甲は、耕作面積が少なく、いわゆる3条許可(農地法)を受けることができないので、非農地化することを前提とした移転の許可(農地法5)を受けて移転をし、その後引き続き耕作しています。
この甲と乙の耕作権と底地の交換について所得税法第58条の交換の特例を適用することができますか。
【回答要旨】
所得税法第58条でいう譲渡資産の譲渡の直前の用途と同一の用途に供するとは、現実にその用に供しているかどうかにより判定すべきものであり、非農地化を前提とするいわゆる5条許可(農地法)により取得した土地であっても、現実に耕作していれば、耕作権との交換について所得税法第58条は適用されます。
なお、交換の特例の適用のある耕作権は、農地法第3条、第5条又は第18条の規定の適用のあるものに限られることに留意してください。
【関係法令通達】
所得税法第58条
所得税基本通達58-2の2
農地法第3条、第5条、第18条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/10/16.htm
関連する質疑応答事例(譲渡所得)
- 機構の有する土地との交換
- 未分割遺産を換価したことによる譲渡所得の申告とその後分割が確定したことによる更正の請求、修正申告等
- 交換の特例に係る「1年以上有していた固定資産」の意義
- 人格のない社団に対する資産の寄附とみなし譲渡課税
- やむを得ない事情により租税特別措置法第36条の2の買換資産の取得が遅れた場合の租税特別措置法第36条の3第2項に規定する修正申告期限
- 買取りの申出を受けた者から収用対象資産を相続により取得した者の「買取りの申出のあった日」
- 一組法による代替資産(墓地と墓石)
- 「宅地の造成」の意義(13号)
- エンジェル税制の適用対象となる株式会社と特例有限会社
- 収用等の場合の特別控除と課税の繰延べの関係
- 義務的修正申告における租税特別措置法第33条の4と第35条の適用関係について
- 農地を宅地に造成した後宅地と交換した場合
- 漁業協同組合から漁業補償金とともに利息相当額の分配を受けた場合の課税
- 宅地造成後譲渡した場合の事業用資産の判定
- 軽減税率の適用される短期譲渡所得等
- 株式としての価値を失ったことによる損失と「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」の関係
- 建物の一部を取り壊した場合における移転補償金の取扱い
- 居住用家屋を取り壊し、跡地に区画形質の変更を加えて譲渡した場合
- 一括して購入した土地の一部を譲渡した場合の取得費
- 特約の付された株券貸借取引に係る特約権料等の課税上の取扱い
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。