媒介契約を解除したことに伴い支払う費用償還金等と譲渡費用|譲渡所得
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
甲は土地を譲渡するため、仲介業者A社と専任媒介契約を締結しましたが、その後甲自身がこの媒介契約に定めた価額より高い金額で買い取りたいとする乙を捜し出しました。そこで、甲はA社との専任媒介契約を解除し、契約条項に従いA社が媒介契約履行のために要した費用である200万円を支払い、土地は乙へ譲渡しました。
この場合のA社に支払った200万円は譲渡費用になりますか。
【回答要旨】
専任媒介契約は、他の不動産業者に重ねて媒介依頼することを禁止する反面、依頼を受けた業者の短期間の成約に向けての努力を期待した契約であり、通常、依頼者が自ら発見した者へ譲渡する場合には、媒介者が媒介契約履行のために要した実費相当額の費用償還金を、また、他の業者の媒介による者へ譲渡する場合には約定報酬額に相当する金額の違約金を支払わなければなりません。
照会の費用償還金は、結果としてA社の媒介により譲渡されなかったとしても買主を捜すために要した費用と認められますから、譲渡のために直接要した費用として譲渡費用に該当します。
また、他の業者の媒介による者へ譲渡する場合に支払う違約金についても、それが、当該資産の譲渡価額を増加させるため譲渡に際して支出したものと認められる場合には譲渡費用となります。
【関係法令通達】
所得税法第33条
所得税基本通達33-7
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/06/04.htm
関連する質疑応答事例(譲渡所得)
- 残地補償の対償に充てるための土地等の買取りに係る特例の適用の可否
- 第一種市街地再開発事業における補償金に対する課税時期
- 補償金の支払請求をした日の判定(6か月の判定)
- 現物出資により取得した有価証券に付すべき取得価額
- やむを得ない事情により租税特別措置法第36条の2の買換資産の取得が遅れた場合の租税特別措置法第36条の3第2項に規定する修正申告期限
- 分離譲渡所得と他の所得との損益通算
- 特約の付された株券貸借取引に係る特約権料等の課税上の取扱い
- 居住用家屋が過去に店舗併用住宅として利用されていたものである場合における租税特別措置法第36条の2の居住期間要件の判定
- 居住用財産の譲渡契約を締結した者が所有権移転登記及び代金決済を行う前に死亡した場合
- 租税特別措置法施行令第22条の8第5項に規定する「一団の土地」の判定
- 附属建築物がある場合の建築面積及び施行地区面積の要件判定(10号)
- 遺産分割後に認知を受けた者に遺産の一部を給付した場合の譲渡所得の課税
- ゴルフ会員権を譲渡した場合の取得費及び譲渡費用
- 一の効用を有する一組の資産
- 手形裏書人が割り引いた手形債務を支払うために譲渡した場合
- 共有物の分割
- 譲渡費用の範囲(訴訟費用)
- 非課税承認が取り消された場合
- 収用対償地に充てる土地を不動産業者に買い取らせた場合
- 月極めの貸駐車場の用に供される土地を買換資産(租税特別措置法第37条第1項の表の第9号の下欄)とすることの可否
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。