不動産所有権付リゾート会員権の評価|財産の評価
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
不動産売買契約(土地及び建物並びに附属施設の共用部分)と施設相互利用契約とが一体として取引される不動産付施設利用権(リゾート会員権)(仲介業者等による取引相場があるもの)はどのように評価するのでしょうか。
(参考)
- 本件リゾート会員権は、不動産売買契約(土地及び建物並びに附属施設の共有部分)と施設相互利用契約をその内容としています。
- 不動産所有権と施設利用権を分離して譲渡することはできません。
- 課税時期において契約解除する場合には清算金(不動産代金の2分の1+償却後の償却保証金)の返還があります。
【回答要旨】
取引相場がある本件リゾート会員権については、「取引相場のあるゴルフ会員権の評価方法」に準じて、課税時期における通常の取引価格の70パーセント相当額により評価します。
(理由)
リゾート会員権の取引は、ゴルフ会員権の取引と同様、上場株式のように公開された市場で行われるわけではなく、
- 会員権取引業者が仲介して行われる場合や所有者と取得者が直接取引する場合もあり、取引の態様は一様ではないこと
- 取引業者の仲介の場合の価格形成も業者ごとによりバラツキが生じるのが通常であること
から、その取引価額を基礎として評価するにしても、評価上の安全性を考慮して評価する必要があります。
ゴルフ会員権の場合、通常の取引価格の70パーセント相当額により評価することとしているのは、上記及びの事情を踏まえて評価上の安全性を考慮したものであり、本件リゾート会員権の取引も同様の事情にあると認められるため、課税時期における通常の取引価格の70パーセント相当額により評価します。
なお、取引相場がある場合においても、契約者の死亡により直ちに契約を解除することは可能であることから、「契約解除する場合の清算金」に基づき評価する方法も考えられますが、会員権に取引価格がある場合には、清算金の価額も結果的に、取引価格に反映されるものと考えられることから、特段の事由がない限り「取引相場のあるゴルフ会員権の評価方法」に準じて通常の取引価格の70パーセント相当額により評価します。
【関係法令通達】
財産評価基本通達 211
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/15/09.htm
関連する質疑応答事例(財産の評価)
- 評価会社が受け取った生命保険金の取扱い
- 種類株式の評価(その1)−上場会社が発行した利益による消却が予定されている非上場株式の評価
- 「比準要素数1の会社」の判定の際の端数処理
- 地目の異なる土地が一体として利用されている場合の評価
- 国外財産の評価−取引相場のない株式の場合(1)
- 一時使用のための借地権の評価
- ディスカウント債の評価
- 不整形地の評価――不整形地としての評価を行わない場合
- 間口距離の求め方
- 外国の証券取引所に上場されている株式の評価
- 国外財産の評価――取引金融機関の為替相場(2)
- 側方路線影響加算の計算例――不整形地の場合
- 農用地区域内等以外の地域に存する農業用施設の用に供されている土地の評価
- 市民緑地契約が締結されている土地の評価
- 外貨(現金)の評価
- 企業組合の定款に特別の定めがある場合の出資の評価
- 償却費の額の合計額の計算
- 不特定多数の者の通行の用に供されている私道
- 公開空地のある宅地の評価
- 直後期末の方が課税時期に近い場合
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。