外貨(現金)の評価|財産の評価
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
被相続人が所有していた5,300米ドルを相続しました。課税時期の取引金融機関の対顧客直物電信買相場(TTB)は115円でした。5,300米ドルをこのTTBで換算すると、609,500円となりますが、外国通貨買相場(Cash Buying)は、113円なので、これにより換算すると、598,900円となります。
相続した財産が海外不動産などではなく、外貨ですから、外貨を円に交換するときの相場である外国通貨買相場を適用して邦貨換算してよろしいですか。
【回答要旨】
現金の外貨についても、納税義務者の取引金融機関が公表する対顧客直物電信買相場又はこれに準ずる相場により評価します。
(理由)
金融機関の公表する為替レートには、対顧客直物電信売相場(TTS)、対顧客直物電信買相場(TTB)、外国通貨売相場(Cash Selling)、外国通貨買相場(Cash Buying)、一覧払い買相場(At Sight Buying)等がありますが、外貨建てによる財産の邦貨換算は、財産評価基本通達においては、対顧客直物電信買相場又はこれに準ずる相場によるとしています。
対顧客直物電信買相場は、外貨預金の支払いやトラベラーズ・チェックの買取りや電信送金された外貨を円に交換する場合に適用される為替相場です。通常、金融機関が外貨の現金を円に交換する場合には、対顧客直物電信買相場から金融機関が現金を保有するコスト等を差し引いたところの外国通貨買相場が適用されることになりますが、財産評価に当たっては、統一的に金融機関が外貨を買って円で支払う場合の対顧客直物電信買相場により換算することになります。
【関係法令通達】
財産評価基本通達4-3
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/15/05.htm
関連する質疑応答事例(財産の評価)
- 不整形地の評価――差引き計算により評価する場合
- 都市計画道路予定地の区域内にある広大地の評価
- 不動産販売会社がたな卸資産として所有する土地等の取扱い
- 構築物の賃借人の土地に対する権利の評価
- 宅地の評価単位−不合理分割(1)
- 不動産所有権付リゾート会員権の評価
- 宅地の評価単位−自用地と借地権
- 一時使用のための借地権の評価
- 種類株式の評価(その1)−上場会社が発行した利益による消却が予定されている非上場株式の評価
- 国外財産の評価――取引金融機関の為替相場(2)
- 広大地の評価における「その地域」の判断
- 農地の評価上の分類
- 一団の雑種地の判定
- 貸家建付地等の評価における一時的な空室の範囲
- 宅地の評価単位−貸宅地
- 1株当たりの利益金額――継続的に有価証券売却益がある場合
- 国外財産の評価――取引金融機関の為替相場(1)
- 区分地上権に準ずる地役権の意義
- がけ地等を有する宅地の評価――2方向にがけ地部分を有する場合
- 接道義務を満たしていない宅地の評価
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。