企業組合の定款に特別の定めがある場合の出資の評価|財産の評価
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
企業組合が、その定款を「組合員が脱退したときは組合員の本組合に対する出資額を限度として持分を払い戻すものとする。」と変更した場合には、その出資又は出資払戻請求権はどのように評価するのでしょうか。
【回答要旨】
1 法令の規定により払込出資金額しか返還されないことが担保されている場合
法令の規定により、現実に払込出資金額しか返還されないことが担保されている場合には、払込出資金額によって評価します。
(参考)
○ 消費生活協同組合法
第21条
脱退した組合員は、定款の定めるところにより、その払込済出資額の全部又は一部の払戻しを請求することができる。
2 法令の規定により払込出資金額しか返還されないことが担保されていない場合
法令の規定により、払込出資金額しか返還されないことが担保されていない場合であって、出資持分の相続について定款に別段の定めがある等により、その持分を承継する場合には、財産評価基本通達196((企業組合等の出資の評価))の定めによって評価します。
ただし、法令の規定により、払込出資金額しか返還されないことが担保されていない場合であっても、出資持分を承継することなく、相続人等が現実に出資払戻請求権を行使して出資の払戻しを受けたときには、その払戻しを受けた出資の金額によって評価します。
なお、相続人等が現実に出資の払戻しを受けた場合において、当該出資に係る剰余金相当額が残存する他の出資者に帰属するときには、他の出資者が脱退した組合員から出資の価額の増加額に相当する利益の贈与を受けたものとして、相続税法第9条に規定するみなし贈与の課税が生じる場合があります。
(参考)
○ 中小企業等協同組合法
第20条
組合員は、第18条又は前条第1項第1号から第4号までの規定により脱退したときは、定款の定めるところにより、その持分の全部又は一部の払戻を請求することができる。
2 前項の持分は、脱退した事業年度の終における組合財産によって定める。
(第3項 省略)
【関係法令通達】
財産評価基本通達196
消費生活協同組合法第21条
中小企業等協同組合法第20条
相続税法第9条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/13/04.htm
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