匿名組合契約に係る権利の評価|財産の評価
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
匿名組合契約により営業者に金銭を出資した法人(匿名組合員)の株式を、純資産価額方式で評価する場合、その権利(出資金)については、どのように評価するのでしょうか。
【回答要旨】
匿名組合員の有する財産は、利益配当請求権と匿名組合契約終了時における出資金返還請求権が一体となった債権的権利であり、その価額は営業者が匿名組合契約に基づき管理している全ての財産・債務を対象として、課税時期においてその匿名組合契約が終了したものとした場合に、匿名組合員が分配を受けることができる清算金の額に相当する金額により評価します。
清算金の額を算出するに当たっては、財産評価通達185の定めを準用して評価します。
この場合、匿名組合には、法人税が課税されないことから、法人税等相当額を控除することはできません。
(理由)
匿名組合員が出資した金銭等は営業者の財産に帰属することから、匿名組合員が匿名組合財産を損益の分担割合に応じて共有しているものとして評価することは相当ではありません。
また、営業者に損失が生じた場合は、損失分担金が出資の金額から減じられた後の金額が組合員に返還されることになり、元本保証はないことから出資額で評価することは相当ではありません。
【関係法令通達】
財産評価基本通達5、185
商法第535条、第536条、第538条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/08/06.htm
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