国外で採用した非居住者に国外で支払う契約金|源泉所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
内国法人A社では、英国法人に勤務している技術者B(英国居住者)を引き抜き、A社(本社)の技術者として採用するに当たり、A社の英国支店からBに契約金を3万ドル支払うこととしていますが、この契約金は国外において支払われるので源泉徴収を要しないこととなりますか。
【回答要旨】
技術者Bに支払う契約金は国内で支払ったものとみなされるため、源泉徴収を要します。
Bは、契約金を受け取る時点ではまだ入国していないので、非居住者に該当します。また、Bに支払う契約金の性格は、A社のために役務を提供することを約することにより受け取る対価です。
したがって、本件の契約金は、国内において人的役務を提供することに基因して国外において支払を受けるものに該当し、国内源泉所得に該当する(所得税法第161条第8号イ)ほか、支払者が国内に事務所又は事業所等を有する場合には、国内において支払ったものと同様、その支払の際に源泉徴収を要することとなります(所得税法第212条第2項)。
この場合の源泉徴収税額は、支払った日の属する月の翌月末日までに納付する必要があります。
【関係法令通達】
所得税法第161条第8号イ、第212条第2項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/06/31.htm
関連する質疑応答事例(源泉所得税)
- 給与等の支払を受ける者が常時10人未満であるかどうかの判定
- みなし退職所得に対する租税条約の適用関係
- ホステスの衣裳代負担による経済的利益
- 非居住者から1億円以下の店舗併用住宅を取得する場合
- 定年退職者に対する海外慰安旅行についての課税関係
- ストックオプションに係る国内源泉所得の範囲
- 非居住者の間に退職した者が帰国後に退職給与規程の改訂により支払を受ける改訂差額
- 音楽コンクールの審査員に対する謝金
- 米国法人に支払う延払債権に係る利子
- 給与の計算期間の中途で非居住者となった者に支給する超過勤務手当(基本給との計算期間が異なる場合)
- 販売員に対し引抜き防止のために支給した慰留金
- 使用料条項の適用対象となる受益者
- 退職年金に係る日加租税条約の適用関係
- 海外勤務期間内に控除対象扶養親族が死亡した場合の扶養控除の適用
- 米国法人に対する航空機(裸用機)のリース料
- 書道家に支払う卒業証書の氏名書き料
- ドイツ法人に支払う商標権の譲渡対価
- 交通用具を使用している者の通勤距離が変更となった場合の非課税限度額
- 日本の大学で教えていた米国人が帰国後に支払を受ける退職金に対する交換教授条項の適用
- 業務の都合により1年未満で帰国したり、海外勤務が1年以上となった場合の居住者・非居住者の判定
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。