販売員に対し引抜き防止のために支給した慰留金|源泉所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
A社(販売業)では、優秀な販売員から、同業他社からの招へいによりA社を退職したい旨の申出があったので、同人に対し引き続きA社で勤務することを条件として慰留金300万円を支給することにより、その引き抜きを防止することとしました。
この慰留金について、源泉徴収の対象となりますか。
なお、この販売員には、通常の月においては、固定給10万円(給与所得として課税)のほか、販売高に応じた歩合給(外交員報酬として課税)を支給しています。
【回答要旨】
本件のように他社へ引き抜かれるのを防止し、引き続きA社に勤務することを約するために支払われる慰留金は契約金として源泉徴収の対象となります。
いわゆる契約金とは、一定の者に専属して役務の提供をする者で、その一定の者のために役務を提供し、又はそれ以外の者のために役務を提供しないことを約することにより一時に受ける契約金をいい、その契約金には役務提供による対価が給与とされる場合にその役務の提供契約を締結するに際して支払われるものも含まれることとされています(所得税基本通達204-29、204-30)。
【関係法令通達】
所得税法第204条第1項第7号、所得税法施行令第320条第6項、所得税基本通達204-29、204-30
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/05/06.htm
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