共有建物を分割した場合の取壊しによる損害は雑損控除の対象となる災害による損失に該当しないとした事例
[所得税法][所得控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1979/09/04 [所得税法][所得控除]裁決事例集 No.19 - 54頁
所得税法第72条第1項に規定する災害に該当する人為による異常な災害とは、社会生活上通常予見し得る単なる不法行為によって発生した損害ではなく、予見及び回避不可能で、かつ、その発生が劇的な経過を経て発生した損害であることを要するものと解されるところ、離婚に際して夫婦の共有建物を調停で定めた分割線で分割するに当たり、当該分割線を超えて請求人の部分の一部が取り壊されたために生じた損害は、請求人がその部分の取壊しについて承諾しなかったとしても、分割線に近い柱を基準としてその柱の手前部分で取り壊すことが、建物の構造上の特性からみて首肯されるものであるから、通常生起する不法行為の一形態による損害にすぎす、当該建物の取壊しによる損害は、同項に規定する災害による損害に当たらない。
昭和54年9月4日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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