不動産の賃貸料収入が多額であったとしても、その賃貸は事業的規模に当たらないとされた事例
[所得税法][必要経費][事業所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1996/07/31 [所得税法][必要経費][事業所得] 請求人は、本件建物の貸付けは、賃借人は一社のみであるが、1,500万円以上の収入があり、当該建物の二階部分も賃貸すれば、3,000万円を超える収入を得られる可能性があり、二階部分の修復、維持管理のため等に従事している専従者に支払った給与は必要経費に算入されるべきである旨主張する。
しかしながら、[1]貸付物件は、本件建物のみで、当該建物の貸付けに係る請求人等の役務の提供は極めて僅少であると認められること、[2]本件建物の一階部分の修理等は賃借人が行っていること等を総合的に判断すると、賃貸料収入が1,500万円であったとしても、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められないとみるのが相当である。
したがって、本件建物の貸付けは、所得税法第57条第1項に規定する不動産所得を生ずべき「事業」に該当しないから、専従者給与の額を必要経費に算入することはできない。
平成8年7月31日裁決
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