請求人が主張する本件旅費交通費等は、簿外経費に係るものであり、また、請求人が提出した本件説明資料は請求人の記憶のみに基づくもので、他に同資料を裏付ける領収書等の証拠資料の提示がないことから、本件旅費交通費等の存在を認めることはできないとした事例
[所得税法][必要経費][事業所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1994/12/22 [所得税法][必要経費][事業所得] 請求人は、原処分庁が認定した簿外の旅費交通費、接待費及び慶弔費以外に、更に多額の簿外の本件旅費交通費等及び本件利子割引料を支払っているから、本件旅費交通費等及び本件利子割引料も事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張するが、本件旅費交通費等は、簿外経費であること、また、原処分庁が認定した旅費交通費等の経費率が類似同業者の平均に比し既に極めて高いことに加え、本件旅費交通費等の額は、著しく高額であることからみて、本件旅費交通費等の存在を認めるためには、請求人が資料等を提示して合理的な説明をし、その存在を明らかにする必要があるというべきである。
しかるに、請求人が提示した説明資料については、その内容に不自然、不合理な点が認められ、また、請求人は当該説明資料は請求人の記憶のみに基づくものであると自認し、他に同資料を裏付ける領収書等の証拠資料を一切提示しないことから、本件旅費交通費等の存在を認めることはできない。
また、本件借入金は、請求人の事業経理に係る帳簿に記載されていないこと等から、本件借入金が事業の用に供されたと認め難いところ、請求人は、本件借入金を事業の用に供したと認めるに足りる証拠資料を提示しないのであるから、本件借入金に係る本件利子割引料を必要経費に算入すべきであるという請求人の主張は、採用することができない。
平成6年12月22日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人が主張する本件旅費交通費等は、簿外経費に係るものであり、また、請求人が提出した本件説明資料は請求人の記憶のみに基づくもので、他に同資料を裏付ける領収書等の証拠資料の提示がないことから、本件旅費交通費等の存在を認めることはできないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(所得税法>必要経費>事業所得)
- 請求人がb町区長等に対して支払った金員は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入されるとした事例(平成22年分の所得税の更正の請求に対する更正処分・一部取消し・平成26年12月4日裁決)
- 未収リース相当額の債権に係る貸倒損失は事業の遂行上生じたものであるとした事例
- 青色事業専従者給与の金額については、その労務の性質及び提供の程度は他の使用人と比べて大きく異なるものではないことから、労務の対価として相当ではないとした事例
- 歯科医師が実施した歯科技工に関する研修及び研究開発等に関係会社の歯科技工士等が参加協力したことに対して支出した金品は当該歯科医師の事業所得の金額の計算上必要経費に該当するとした事例
- 請求人の従業員は、青色事業専従者である配偶者のみであるところ、従業員等のレクリェーションのため慰安旅行をし福利厚生費として処理したが、サラリーマン家庭が行う通常の家族旅行と何ら異なる点は認められないとして否認した事例
- 法人成りにより個人事業を廃業した年分に、繰延資産(医師会の入会金等)の未償却残額を資産損失として必要経費に算入することはできないとした事例
- 請求人の妻が現に不動産貸付業及び理容業に係る業務に従事していたとしても、その事務量は僅少であるから、青色事業専従者に該当しないとした事例
- 請求人が、原処分庁が認定した必要経費を超える費用について、具体的内容を明らかにしないことから、当該費用を必要経費に算入することはできないとした事例
- 法人成りしたことに伴い個人事業を廃止した年分の必要経費に算入した従業員退職金(預り金経理)は必要経費に算入できないとする原処分庁の主張を排斥した事例
- 被相続人に係る事業所得の金額の計算上の必要経費には、死亡時までの従業員退職金相当額は算入できないとした事例
- 同居している請求人の妻の父母が独立した生計を営んでいるとはいえないから、同父母に支払った給料及び地代は必要経費に算入することはできないとした事例
- 株式取得のための借入金の利子は配当所得の必要経費であり事業所得の必要経費ではないとした事例
- ほぼ伐期に達した山林について生じた災害による損失の金額は立木ごとに計算すべきであるとした事例
- 事業所得の金額の計算上、仮装した事実等により総収入金額及び必要経費を算出していたとした事例
- 事業開始前に事業の用に供する資産を借入金によって取得した場合において、事業開始前に支出した当該借入金の利子は繰延資産である開業費には該当しないとされた事例
- 請求人の夫の事業への従事の程度は、一時的ないし臨時的なものであって、事業に専ら従事するものとは認められないとした事例
- 請求人が業務の用に供するために取得した土地建物に係る借入金の利子について、当該土地建物は放置したまま何ら業務の用に供されていないから必要経費に算入されないとした事例
- 請求人が開業費として計上した平成10年1月〜5月の地代家賃等は、平成10年1月の開業後に支出したものであるから、平成15年分の事業所得の計算上当該開業費の償却費を必要経費に算入することはできないとした事例
- 請求人の夫は青色事業専従者に該当しないとした事例
- 個人事業主の死亡は当然に雇用契約の終了事由、事業廃止原因であるから、従業員に支給する退職金の必要経費算入を認めるべきであるとの請求人の主張が排斥された事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。