買収予定地の一部分の土地をまず買収し引き渡した場合のその土地の譲渡収益はその引渡しの日に実現したものとした事例
[法人税法][所得金額の計算][収益の帰属事業年度]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1977/03/30 [法人税法][所得金額の計算][収益の帰属事業年度]裁決事例集 No.13 - 5頁
請求人は、一定地域の土地を買収し、引き渡す旨の約定は一種の請負契約であり、同約定に基づき引渡しを行った買収予定土地の一部である本件土地の譲渡収益は、本来すべての土地の引渡しが完了した時に計上すべきであるところ、請求人が同約定を履行したのは、本件土地の譲渡代金等を定めた協定書を作成した日であるから、その収益も本件土地の引渡しの日ではなく協定書を作成した日の属する事業年度に計上すべきであると主張する。
しかしながら、当初にかかる約定があったとしても、本件土地についてその後に作成された売買契約書が存在し、譲受人においては、同契約書の作成をもって本件土地の売買契約が成立したものと認識していること、また、請求人においても当事業年度に本件土地の引渡しを行ったことを自認し、かつ、譲渡収益をも計上していること等の事実からすれば、同契約書は、本件土地の譲渡契約を証する書面と認めるのが相当であり、本件土地についての売買契約は当事業年度に成立し、同契約に基づき引渡しが行われたものと認めるのが相当である。したがって、本件土地の譲渡収益は、引渡しの日の属する事業年度である当事業年度に計上するのが妥当であり、請求人の主張は失当である。
昭和52年3月30日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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