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相続税更正処分取消等請求事件|平成18(行ウ)115

[相続税法][国税通則法][更正の請求]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成20年9月19日 [相続税法][国税通則法][更正の請求]

判示事項

1 審査請求についての裁決を経ずに提起された相続税の更正処分等の取消しを求める訴えにつき,前記更正処分等に係る審査請求はされた上で取り下げられているところ,この取下げは担当官の誤った教示によって陥った錯誤に基づくもので無効であるから,前記訴えは適法であるとの主張が排斥された事例
2 被相続人の財産に係る相続税につき,他の相続人との間に訴訟上の和解が成立したとして,国税通則法23条2項1号に基づいてした更正の請求に対して,税務署長がした更正に理由がない旨の通知の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

1 審査請求についての裁決を経ずに提起された相続税の更正処分等の取消しを求める訴えにつき,前記更正処分等に係る審査請求はされた上で取り下げられているところ,この取下げは担当官の誤った教示によって陥った錯誤に基づくもので無効であるから,前記訴えは適法であるとの主張について,納税者による取下げの意思表示が要素の錯誤に基づくものである場合には,民法95条により納税者に重過失がない限り当該取下げは無効になり,結果的に審査請求がなお係属しているものと評価し得るというべきであり,この場合,納税者は,国税通則法115条1項1号にいう「審査請求がされた日の翌日から起算して三月を経過しても裁決がないとき」に該当するとして,不服申立ての対象となっていた処分の取消しを求めて出訴することができ,また,審査請求の取下げが税務官署の責任ある者の誤った教示に起因するなど特段の事情がある場合には,当該納税者は,同項3号にいう「裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき」に該当するとして,やはり審査請求についての裁決を経ることなく,適法に当該処分の取消訴訟を提起することができると解する余地があるとした上,前記取下げは更正処分等を確定させても特段の弊害はなく,むしろ手続的により簡明になり望ましいとの趣旨でされたものと推認することができるから,前記取下げを要素の錯誤に基づくものとして無効と評価することはできず,また,前記特段の事情も認められないとして,前記主張を排斥した事例
2 被相続人の財産に係る相続税につき,他の相続人との間に訴訟上の和解が成立したとして,国税通則法23条2項1号に基づいてした更正の請求に対して,税務署長がした更正に理由がない旨の通知の取消請求につき,前記和解においては,被相続人の遺産について具体的にどの財産をだれが相続するのかについて何ら明らかにされていないのみならず,和解条項において,和解を成立させる目的について「原告らと被告ら及び被告利害関係人…は,長年の争訟による精神的苦痛,物質的消耗を終焉させるため本和解に及び,」と明記され,他の相続人との間に当時存在した競売申立事件,保全事件及び訴訟事件の取下げによる終了が約されていることなどからすれば,前記和解は,被相続人及びその妻の死亡を契機に相続人である納税者らと他の相続人との間で発生した遺産をめぐる一連の法的紛争を最終的に解決することを目的として,被相続人及びその妻の各遺産に関する当該納税者らと他の相続人との間の権利関係の一切を不可分的に整理,確定させたものであり,前記和解中被相続人に係る部分のみを抽出して,その法的性質を遺産分割ないしこれと同視すべきものと評価する余地はないというべきであるから,前記和解により,前記相続税に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎とされた事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したということはできないとして,前記請求を棄却した事例
 
裁判所名
大阪地方裁判所
事件番号
平成18(行ウ)115
事件名
相続税更正処分取消等請求事件
裁判年月日
平成20年9月19日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
相続税更正処分取消等請求事件|平成18(行ウ)115

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