A市土地開発公社が公有用地の代替地という目的で取得した土地は法人税法上も棚卸資産であり、法人税法第50条《交換により取得した資産の圧縮額の損金算入》第1項に規定する取得資産には該当しないとした事例
[法人税法][所得金額の計算][圧縮記帳]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2005/07/08 [法人税法][所得金額の計算][圧縮記帳] 請求人が交換により取得した土地(以下「本件土地」という。)は、公有用地の代替地という目的で取得され、A市に引き取られることを予定された土地であることからすれば、販売用資産としての商品としてみるべきであり、本件公社が流動資産に計上した経理処理は相当であると認められる。さらに、取得後の事情の変化等によって、当初の保有目的が変更されたという事実も認められないことから(本件土地の賃貸借は、土地の積極的な利用の一環にすぎず、土地の最終的な利用の妨げとならない範囲で行われているものにすぎないから)、固定資産への区分変更は行われていないとするのが相当であり、請求人の主張する本件公社の性格及び本件土地の取得後の実態を検討してみても、本件土地を固定資産であると認定すべき事由は見当たらない。
そうすると、土地開発公社経理基準要綱の定めに従った本件公社の経理処理を法人税法上も否定する理由はないから、本件土地を流動資産とした本件公社の経理処理については、法人税法上も相当と判断される。
したがって、本件土地は、棚卸資産である販売用資産としての商品に該当するから、法人税法第50条の適用要件、すなわち、同条第1項に規定する「取得資産」は固定資産に限られるとする要件を満たしておらず、同条の規定の適用は認められない。
平成17年7月8日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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