預託金制から株式制に転換されたゴルフ会員権(株式)について、1株当たりの純資産価額には著しい下落は認められないとして株式の評価損の計上を認めなかった事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2010/02/15 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金] 預託金制から株式制に転換されたゴルフ会員権は、その転換の前後においてもゴルフ会員権としての資産の同一性を維持しており、また、この転換により請求人が保有することとなった本件株式に対して付与された価額(払込価額)は、発行会社の時価純資産価額を算出して決定されたものではなく、他社の預託金問題の解決事例にならって単に額面金額の50%と決定したものに過ぎず、預託金債権を回収し株式制ゴルフ会員権に転換することを目的として付与された、特に法的又は経済的な裏付けのない名目的な価額に過ぎないから、本件株式の帳簿価額は、預託金制ゴルフ会員権の帳簿価額を引き継ぐこととするのが相当であり、転換に伴い帳簿価額を減額することは認められない。
そして、本件株式は、一連の転換スキームに伴い取得したものと認められるところ、請求人が本件評価損が生じていると主張する平成19年8月期末における本件株式1株当たりの純資産価額は、本件株式取得時の1株当たりの純資産価額に比しておおむね50%以上下回っているとは認められない。そうすると、本件株式を発行する法人の資産状況が著しく悪化したとは認められないから、本件株式について評価損を計上することは認められない。
《参照条文等》法人税法第33条法人税法施行令第68条法人税基本通達9−1−9
平成22年2月15日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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