滞納処分の停止後に資力が回復した事実はないとの請求人の主張を排斥した事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2008/08/04 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 請求人は、H社からの給料の手取額から、F県での勤務のための新幹線代金やホテル代のほか、地方税の滞納分及び保証人としての代位弁済金を支払う必要があり、これらを支払った後の残額は国税徴収法第153条第1項第2号に規定する「滞納処分を執行することによって、その生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき」に該当する旨主張する。
しかしながら、給与等に係る差押禁止額を超える部分を差し押さえる場合は、国税徴収法第153条第1項第2号に規定する「その生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき」に該当しないと解されるところ、請求人に対して支払われた給料等の額が給料等に係る差押禁止額を超えることは明らかであり、また、請求人が主張するような支出を給料等に係る差押禁止額の計算上考慮するとした規定もないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。
平成20年8月4日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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