自動車の差押処分について、その財産の帰属を誤ったとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2012/07/03 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]《要旨》 原処分庁は、原処分庁が行った第三者名義で登録されていた自動車(本件自動車)に対する差押処分(本件差押処分)は、その所有権が滞納法人にあるのだから適法である旨主張する。
しかしながら、本件自動車は、本件差押処分の前に、請求人が滞納法人に対する貸付金の代物弁済として、滞納法人からその所有権を取得したものである。また、請求人は審査請求中に自己の所有権に基づき本件自動車の登録を行っており、それに対して原処分庁は本件自動車について差押えの登録を行っていないから、請求人は、登録を行うことにより本件自動車の所有権を確定的に取得したことになり、その反面で滞納法人はその所有権を確定的に喪失したことに帰着するので、本件差押処分は違法な処分として取り消されるべきである。
《参照条文》 国税徴収法第47条第1項、第71条
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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