第二次納税義務に係る租税債務が成立した時点において無限責任社員であった者は第二次納税義務を負うと解するのが相当であるとした事例(不動産の差押処分・棄却・平成25年12月2日裁決)
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2013/12/02 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]《要旨》 請求人は、原処分庁が、主たる納税者(本件滞納法人)の滞納国税(本件滞納国税)を徴収するために、請求人の所有する不動産の差押処分(本件差押処分)を行ったことに対し、本件差押処分の前提となる国税徴収法(徴収法)第33条《無限責任社員の第二次納税義務》に基づきなされた第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)は、請求人が本件納付告知処分時には既に本件滞納法人の無限責任社員ではないことから無効であり、これを前提として行われた本件差押処分も無効又は違法なものとして取り消されるべきである旨主張する。
しかしながら、徴収法第33条の趣旨からすると、会社法が規定する無限責任社員の責任は私法上の債務だけでなく公法上の債務にも適用されると解され、無限責任社員の弁済責任が会社債務の発生と同時に生じることからすると、会社債務の発生時、すなわち第二次納税義務に係る租税債務が成立した時点において無限責任社員であった者は、第二次納税義務を負うと解するのが相当である。これを本件についてみると、本件滞納国税が成立した時点において、請求人は、滞納法人の無限責任社員であったと認められることから、本件滞納国税について第二次納税義務を負うこととなり、本件納付告知処分は無効ではない。したがって、本件納付告知処分の無効を前提とする請求人の主張には理由がない。
《参照条文等》 会社法第580条 国税徴収法第33条
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 第二次納税義務に係る租税債務が成立した時点において無限責任社員であった者は第二次納税義務を負うと解するのが相当であるとした事例(不動産の差押処分・棄却・平成25年12月2日裁決)
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