滞納法人がその構成員である組合員に対して行った賦課金の返還行為が、国税徴収法第39条の無償譲渡等に当たるとされた事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1999/04/23 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 国税徴収法第39条の無償譲渡とは、民法上の贈与等を指すものと解され、課税庁が利益の配当として法人及びその株主等に対し課税した場合であっても、それが法人のその株主等に対する会社資産の無償譲渡に当たる場合には、同一の資産の譲渡が、一方では国税徴収法第39条の無償譲渡に該当し、他方では利益の配当として課税所得の計算の対象に該当することになんら矛盾はないというべきである。
また、請求人が主張する法人税等は、当該財産の取得による所得のみならず、その年中に生じた他の所得及び損失等との関連において課税標準及び税額が異動するものであって、受益の時においてはその納税義務の存否及び数額を法律上客観的に確定することができないものであるから、受けた利益の現存する限度額の算定に当たり控除すべき費用等には該当しない。
平成11年4月23日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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