「一括支払システムに関する契約書(代金債権担保契約書)」第3条の2(国税徴収法第24条の規定に基づく譲渡担保権者に対する告知が発せられたときは、当座貸越債権は何らの手続を要せず弁済期が到来するものとし、同時に担保のため譲渡した代金債権は当座貸越債権の代物弁済に充当されるとするもの)の効力について、かかる変動を認めることは国税徴収法第24条による物的納税義務の規定が機能しなくなることを意味するのであるから、国税徴収法第24条の規定が、このような擬制による権利変動を保護しているとは解されないとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1995/06/19 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 本件条項の下においては、告知が発せられた時に担保権が実行されたことになるが、告知が発せられたかどうか、いつ発せられたかは、告知書を受領して初めて知ることができるのである。そうすると、譲渡担保財産は、譲渡担保権者と同設定者が認識しない間に、正確にはいつの時点か不明であるが、ともかく告知書が到達する前に、担保権の実行により代物弁済に充てられて、その確定的権利が変動したことになる。
このような変動は、もっぱら国税債権者に対し譲渡担保権の消滅を主張するために当事者間で存在したこととされたものであり、かかる変動を認めることは国税徴収法第24条による物的納税義務の規定が機能しなくなることを意味するのであるから、国税徴収法第24条の規定が、このような擬制による権利変動を保護しているとは解されず、同条の規定の適用上、担保権の実行は同条第2項による告知の告知書が到達した後に行われたものとして取り扱われるべきである。
平成7年6月19日裁決
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