営業譲渡契約による包括的な指名債権の移転を第三者に対抗するためには、民法第467条が規定する方法により、第三者対抗要件を具備する必要があるとした事例
[国税徴収法][差押え][各種財産に対する差押え]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2011/05/18 [国税徴収法][差押え][各種財産に対する差押え]《要旨》 請求人は、原処分庁が、滞納者が第三債務者に対して債権を有するとして当該各債権(本件各債権)を差し押さえたことに対し、本件各債権は、請求人と滞納者との間の営業譲渡契約により、包括的に請求人に移転しており、このような包括的な移転については民法第467条《指名債権譲渡の対抗要件》の適用がないから、同条第2項が規定する第三者対抗要件を具備しなくても、本件各債権の移転を原処分庁に対抗することができる旨主張する。
しかしながら、営業譲渡契約により譲受人に承継されることとなった指名債権について二重譲渡や差押えとの競合が生じることは通常の債権譲渡の場合と同様であることからすれば、営業譲渡契約による指名債権の移転を第三者に対抗するためには、民法第467条が規定する方法により第三者対抗要件を具備する必要があると解されるのであり、本件各債権の移転については、いずれも第三者対抗要件を具備していないから、請求人は、本件各債権の移転を原処分庁に対抗することはできない。
《参照条文等》 民法第467条第2項
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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