工事代金の一部を本件事業年度の売上げに計上しないで、売掛金の過入金として処理したことが、重加算税を課すべき事実に該当しないと判断した事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2000/11/15 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 原処分庁は、請求人が、A社から入金した工事代金を、過入金と判断して本件事業年度の売上げに計上しなかったことについて、[1]本件事業年度末までに適正に処理されていれば、当該過入金は当然発生しないこと及び[2]翌事業年度に当該過入金を売上げに計上した際に、小口に区分処理しただけでなくその対応する原価として他の工事原価を計上したことは、通則法第68条第1項の隠ぺい、仮装に当たるとした。
しかしながら、請求人は、本件過入金を本件事業年度においてA社からの売掛金の入金として経理しており、また、翌事業年度には売上げに計上していることから、利益が繰り延べられていることをもって通則法第68条第1項の隠ぺい、仮装に当たるとまでは認められない。また、請求人が、工事原価を付け替えた処理については、当該処理が本件事業年度に係るものでなく、この点については理由がない。
以上により、重加算税の賦課決定処分は、過少申告加算税相当額を超える部分の金額について取り消すのが相当である。
平成12年11月15日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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