被相続人名義の普通預金等の存在を承知した上で、税理士にこれらに相当する金額を含めて納付すべき税額を計算させ、その後、同税理士から資料の提示を求められると、残高証明書等を所持していたにもかかわらず、ない旨の回答をし、本件預金等の存在を明らかにしないで本件確定申告書を作成、提出させた行為は、事実の隠ぺいに当たるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1998/12/18 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 請求人は、本件各預金が被相続人の相続開始日現在において存在し、それが被相続人名義であることを承知した上で、M税理士事務所に勤務するT税理士に指示して、いったんは本件各預金とも思われる金額を含めて納付すべき税額を算定させ、その後、同税理士から当該金額に係る資料の提示を求められると、本件残高証明書及び本件各預金のうち定期預金証書を所持していたにもかかわらず、当該資料がない旨の回答をして、同税理士に本件各預金の存在を明らかにせずに本件申告書の作成を依頼し、同申告書をE税務署長に提出したことが認められる。
請求人の上記行為は、国税通則法第68条第1項に規定する「隠ぺい」に該当するから、本件重加算税の賦課決定処分は相当であり、請求人の主張には理由がない。
平成10年12月18日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 被相続人名義の普通預金等の存在を承知した上で、税理士にこれらに相当する金額を含めて納付すべき税額を計算させ、その後、同税理士から資料の提示を求められると、残高証明書等を所持していたにもかかわらず、ない旨の回答をし、本件預金等の存在を明らかにしないで本件確定申告書を作成、提出させた行為は、事実の隠ぺいに当たるとした事例
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