法定申告期限から3年を経過した後に提出された修正申告書は、更正があるべきことを予知して提出されたものでないとして、過少申告加算税の賦課決定処分の全部を取り消した事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2002/02/05 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 原処分庁は、請求人が調査により修正申告が必要であることを指摘されて本件各修正申告書を提出したものであり、過少申告加算税を賦課したことに違法はない旨主張する。
しかしながら、本件修正申告書は法定申告期限から3年を経過した後に提出され、原処分庁において「偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れた」ことの立証がされなければならないところ、原処分庁からはこの点について具体的な主張がなく、証拠資料の提出もない。
したがって、本件修正申告書の提出は、国税通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に該当すると認められ、過少申告加算税の賦課決定処分については、その全部を取り消すのが相当である。
平成14年2月5日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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