申告もれの土地譲渡について具体的に指摘した来署依頼状の送付後になされた修正申告書の提出は、国税通則法第65条第5項に規定する調査があったことにより更正があるべきことを予知してされたというべきであるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1996/09/30 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]請求人は、本件修正申告書の提出が国税通則法第65条第5項に規定する調査があったことにより更正があるべきことを予知してされたものではないと主張するが、同法第65条5項の「調査」とは課税庁が行う課税標準又は税額等を認定するに至る一連の判断過程の一切を意味するものであり、課税庁の証拠書類の収集、証拠の評価あるいは経験則を通じての課税要件事実の認定、租税法その他の法令の解釈適用を経て更正処分に至るまでの思考、判断を含む極めて包括的な概念であり、課税庁が確定申告書を検討して納税者の過少申告を把握し、これを当該納税者に連絡したような場合には「調査があったこと」に該当する。本件では申告もれの土地譲渡について具体的に指摘した来署依頼状の送付後に修正申告書が提出されているから、修正申告は調査があったことにより更正があるべきことを予知してされたというべきである。
平成8年9月30日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 申告もれの土地譲渡について具体的に指摘した来署依頼状の送付後になされた修正申告書の提出は、国税通則法第65条第5項に規定する調査があったことにより更正があるべきことを予知してされたというべきであるとした事例
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