公的年金等に係る雑所得の金額を算出するに際し、いわゆる「雑所得速算表」を誤認した結果、所得税の確定申告が過少申告となった場合において、誤認したのは請求人の過失によるものと認められ、また、原処分庁から指摘があれば訂正するつもりで法定申告期限前に申告書を郵送したところ、期限内に指摘されなかったとしても、国税通則法第65条第4項に規定する「正当な理由」に当たらないとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1999/12/22 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 請求人は、公的年金等に係る雑所得の金額を算出する際に、「所得税の確定申告の手引き」に記載されている公的年金等に係る雑所得の速算表(以下「雑所得速算表」という。)を誤認しただけであり、このような単純な誤りについては過少申告加算税を課すべきではない旨主張する。
しかしながら、雑所得の金額を算出するに当たって、雑所得速算表を用いて計算する場合、同表には具体的な計算方法も例示されており、請求人が通常の注意を払えばその計算方法を認識できたと認められ、雑所得の計算方法を誤認したのは請求人の過失によるものであるから、当初申告が過少となったことについて真にやむを得ない理由があったとは認められない。
また、申告納税制度の下での所得税の確定申告は、本来納税者自身の判断と責任において法定申告期限までに提出されるものであるから、原処分庁が法定申告期限内に雑所得の金額の誤りを指摘しなかったからといって、そのことを理由に不当とすることはできない。
したがって、原処分庁の行った過少申告加算税の賦課決定処分は適法である。
平成11年12月22日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 公的年金等に係る雑所得の金額を算出するに際し、いわゆる「雑所得速算表」を誤認した結果、所得税の確定申告が過少申告となった場合において、誤認したのは請求人の過失によるものと認められ、また、原処分庁から指摘があれば訂正するつもりで法定申告期限前に申告書を郵送したところ、期限内に指摘されなかったとしても、国税通則法第65条第4項に規定する「正当な理由」に当たらないとした事例
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