滞納後に発生した猶予該当事実を、納税の猶予の猶予該当事実に当たるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2012/10/29 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]《ポイント》 本事例は、滞納後に発生した請求人の猶予該当事実(請求人の母の入院加療に伴う支出)を、滞納国税を一時に納付することができなかった事実と認め、国税通則法第46条第2項第5号(第2号類似)に該当するとしたものである。
《要旨》 原処分庁は、請求人が請求人の母の入院加療に伴う支出を行う以前から税金を滞納しているのであるから、国税通則法第46条《納税の猶予の要件等》第2項第5号(第2号類似)の猶予該当事実に基づいて、滞納国税を一時に納付することができなくなったとは認められない旨主張する。
しかしながら、納付困難税額がある一方で、猶予該当事実に基づく支出又は損失がある場合には、その支出又は損失の額が納付困難の原因となっているものとみるのが相当であるところ、請求人には納付困難税額と猶予該当事実(請求人と生計を一にしない母の病気)に基づく支出とが、それぞれ存在することから、請求人は猶予該当事実に基づき、滞納国税を一時に納付することができなかったと認められ、また、国税通則法第46条第2項に規定するその他の要件も充足していると認められるから、当該猶予該当事実と納付困難の原因との間の基因関係の不存在を理由とする原処分は違法というべきである。
《参照条文等》 国税通則法第46条第2項第5号
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 滞納後に発生した猶予該当事実を、納税の猶予の猶予該当事実に当たるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(租税特別措置法>登録免許税法の特例)
- 請求人は、当初から課税標準等及び税額等を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたものといえるので、その意図に基づき期限内申告書を提出しなかったことにつき、重加算税の賦課要件を満たすとした事例
- 滞納会社の所有する土地持分の上に請求人が建物を新築するに当たり、借地権の無償設定によって国税徴収法第39条にいう利益を受けたものと認定した事例
- 請求人が木材の輸入取引において仕入に計上した取引額の一部に、本事業年度以外の事業年度の損金の額に算入すべきものがあるが、当該金額については、架空、金額の水増し又は重複計上などによって過大に計上したものとは認められず、損金算入時期の誤りによるものと認められるから、重加算税の賦課要件たる事実を隠ぺい仮装したことには当たらないとした事例
- 二次相続に係る本件更正処分は、一次相続に係る裁決における取消し理由と同じ理由で行なわれたものではなく、また、一次相続に係る処分とは別個の二次相続に係る処分であるから違法ではないとした事例
- 請求人について、「著しい損失」は認められないものの、売上金額は著しく減少し、赤字の状態に陥っているから、国税通則法第46条第2項第4号に掲げる事実に類する事実があるとした事例
- 虚偽の仲介契約書を作成し、取引先の関係者に対する受注謝礼金を販売手数料に仮装していたと認定し、重加算税の賦課は適法であるとした事例
- 破産宣告後に土地を譲渡したことに係る土地重課税は破産法第47条第2号に規定する破産財団に関して生じたものに該当するとした事例
- 相談担当者が知り得なかった申告漏れ等は、国税通則法第65条“過少申告加算税”第4項にいう「正当な理由」には当たらないとした事例
- 単発的で少数の売上伝票の欠落があることのみでは、売上除外があったとまではいえず、国税通則法(平成23年法律第114号による改正前のもの)第70条第5項に規定する「偽りその他不正の行為」に当たらないとした事例
- 同一相手方との間で土地を低価譲渡及び低価取得したことは、税負担の公平を害するといわざるを得ないが、この契約自体を虚偽仮装のものとみることは相当ではないとした事例
- 納税申告書をその法定申告期限に郵便ポストに投函して郵送したが、郵便の取り集め時間後であったため納税申告書の通信日付が翌日となり、期限後申告となった場合は、国税通則法第66条第1項ただし書に規定する「正当な理由」がないとした事例
- 更正処分の理由の提示について不備がないと判断した事例(平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成27年6月1日裁決)
- 贈与税についての主たる課税処分について、その連帯納付義務者に不服申立適格があるとした事例
- 内容虚偽の契約書等を作成し、これを基に所得金額等を算定して申告したことは、事実の隠ぺい又は仮装に該当するとした事例
- 原処分庁が差し押さえた滞納者が裁判上請求している貞操侵害を理由とする慰謝料請求権は、差押えの時点においては、いまだ行使上の一身専属性が失われたとはいえないから、差押えの対象とすることができない財産に当たるとして、差押処分を取り消した事例
- 請求人の意思に反して担保提供がされたとは認められないとした事例
- 相続により取得した財産に係る相続開始前における賃借権の取得時効の完成、賃借権の取得という事実が判決により後発的に確定した場合、当該判決は、取得時効の完成の確定という意味において、国税通則法第23条第2項1号にいう「判決」に当たり、当該事情は当該財産の評価上、しんしゃくすべきであるとした事例
- 国税通則法第23条第2項ないし同法施行令第6条に規定のない納税者の主観的な事由は、同項の後発的事由に該当しないとした事例
- 連帯納付義務者Lから不動産の贈与を受けた者に対して行われた国税徴収法第39条の規定に基づく第二次納税義務の告知処分が適法であるとした事例
- 請求人らから同時にされた各共有地の持分移転登記申請については、その各土地は共同で競落したことに基因しているもので、1筆の共有地からの同一事件に係る分筆登記によって生じたものではないから、租税特別措置法第84条の4第2項の適用はないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。