原処分庁が納税の猶予の適否の判断に必要な事実確認等を行おうと努めたにもかかわらず、請求人自らが要件が充足されていることを明らかにしていく姿勢がうかがわれなかったのであるから、納税の猶予を受ける権利を侵害した事実はないとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2009/02/19 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 請求人は、本件徴収担当職員が本件納税の猶予の適否の判断に必要な質問検査を行わず、また、請求人の用意した本件納税の猶予申請に関する資料を見ないで帰ってしまい、請求人に説明の機会を与えなかったことは、請求人の納税の猶予を受ける権利を侵害するものであるから、本件納税の猶予不許可処分に係る手続は不当である旨主張する。
しかしながら、納税の猶予の要件を充足することについての立証責任は納税の猶予の申請をした納税者にあり、その納税者が進んで税務署長等に納税の猶予の要件が充足されていることを明らかにしなかったため、当該税務署長等において納税の猶予の要件が充足されていることを認定判断できなかったとして納税の猶予不許可処分を行った場合、当該税務署長等の判断に誤りはないというべきであるとともに、その調査手続が違法又は不当であるということもできないと解するのが相当であるところ、本件徴収担当職員が本件猶予申請に係る事実確認を行おうと努めたにもかかわらず、請求人は第三者の立会いの下での調査に固執し、自らが進んで納税の猶予の要件が充足されていることを明らかにしていく姿勢がうかがわれなかった本件においては、請求人が主張するような納税の猶予を受ける権利を侵害した事実はないと認められ、この点において、本件不許可処分が違法又は不当であるということはできない。
平成21年2月19日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 原処分庁が納税の猶予の適否の判断に必要な事実確認等を行おうと努めたにもかかわらず、請求人自らが要件が充足されていることを明らかにしていく姿勢がうかがわれなかったのであるから、納税の猶予を受ける権利を侵害した事実はないとした事例
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