国税通則法第23条第2項第1号の「判決」に基づいた更正の請求であると認容した事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2007/01/23 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 国税通則法第23条第2項第1号の規定は、納税者において、申告時には予測し得なかった事態が後発的に生じたため、課税標準等又は税額等の計算の基礎に変更をきたし、税額の減額をすべき場合に、法定申告期限から1年を経過していることを理由に更正の請求を認めないとすると、帰責事由のない納税者に酷な結果となることから、例外的に更正の請求を認めて納税者の保護を拡充しようとしたものと解される。上記規定の趣旨及び国税通則法第23条第2項各号の列挙事由の内容にかんがみれば、同項第1号の「判決」に基づいた更正の請求が認められるためには、判決を得るための訴訟が申告等に係る課税標準等又は税額等の基礎となった事実の存否、効力等を直接審判の対象とし、判決により課税標準等の基礎となった事実と異なることが確定されるとともに、納税者が申告時において、課税標準等の基礎となった事実と異なることを知らなかったことが必要であると解される。
これを本件についてみると、請求人は、被相続人が死亡するまで、V社の経営に全く関与しておらず、本件売買契約にも全く関与していなかったものと認められる。他に請求人が申告時までに本件土地の売買の目的や経緯、ないしは本件売買契約が仮装であること等を知っていたと認めるに足りる証拠はない。そうすると、請求人は申告時において本件売買代金債権が存在しなかったことを知っていたとは認められない。
平成19年1月23日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 国税通則法第23条第2項第1号の「判決」に基づいた更正の請求であると認容した事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(租税特別措置法>登録免許税法の特例)
- 被相続人の妻が被相続人の財産内容を開示しなかった等の事情は、相続人間の主観的事情にすぎないから、期限内申告書の提出がなかったことについて、国税通則法第66条第1項ただし書の「正当な理由」があるとは認められないと認定した事例(平成20年3月相続開始に係る相続税の無申告加算税の賦課決定処分・一部取消し・平成26年11月7日裁決)
- 調査担当者の電話による質問の後に提出された修正申告書は、更正があるべきことを予知して提出されたものであると認定した事例
- 債権の差押処分について、その財産の帰属を誤ったとした事例
- 請求人の被相続人が提出した確定申告書は、被相続人が現処分庁所属の担当職員の言われるままに署名押印し、その内容について納得せずに提出したものであり無効であるから、無効な確定申告により確定した滞納国税を徴収するため行われた差押処分も違法であるとの主張を排斥した事例
- 強制競売手続が開始された場合の繰上請求処分は適法であるとした事例
- 課税処分に対する審査請求中に行われた差押処分が適法であるとした事例
- 督促後に納税地の異動があった場合の異議申立ては当該督促をした税務署長に対してなすべきであるとした事例
- 請求人に帰属する歯科医業に係る所得を、請求人の親族に帰属するがごとく装うために親族名義の確定申告書及び決算書を税務署長に提出したことが、国税通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装に当たると判断した事例
- 株主総会において支給が確定した退職金の一部を受領しなかったのは、相続人たる請求人らが退職金の支払義務の一部を免除したものであるから更正の請求は認められないとした事例
- 原処分の取消しを求める不服申立てが処分の無効を理由とするものであっても、不服申立期間を遵守しなければならないとした事例
- 離婚に伴う財産分与が不相当に過大であるとして国税徴収法第39条に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」があったとした事例
- 国税通則法第65条第4項にいう「正当な理由があると認められるものがある場合」には、過少に税額を申告したことが納税者の税法の不知又は誤解であるとか、納税者の単なる主観的な事情に基づくような場合までを含むものではないとした事例
- 株式に根質権を設定した後、質権者がその株券を質権設定者に返還し、改めて預金債権に質権を設定した場合に、その預金の差押えに係る配当において、株券の質権設定日と法定納期限等とで優劣を決すべきであるとの請求人の主張が排斥された事例
- 相続により取得した財産に係る相続開始前における所有権の取得時効の完成、所有権の取得という事実が判決により後発的に確定した場合、当該判決は、国税通則法第23条第2項第1号にいう判決に当たり、当該事情を財産の価額に与える影響要因として考慮した場合には、その財産の価額は零円とみるのが相当とした事例
- 扶養控除額を過大に申告したことについて国税通則法第65条第2項に規定する正当な理由が認められないとした事例
- 財団法人に対する寄附は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等に当たるとした事例
- 滞納処分があったことを知った日は原処分庁の主張する日より後であるから異議申立期間を徒過していないとした事例
- 先の差押調書謄本が送達されたと認定し、これにより滞納国税の徴収権の消滅時効が中断され、その後に行われた差押処分が適法であるとされた事例
- 申告もれの土地譲渡について具体的に指摘した来署依頼状の送付後になされた修正申告書の提出は、国税通則法第65条第5項に規定する調査があったことにより更正があるべきことを予知してされたというべきであるとした事例
- 請求人は、調査担当者から指摘されて提出した被相続人名義の有価証券等について、相続開始後にその利息及び償還金をすべて受領し、現金化して費消していることなどからすると、本件有価証券等の存在を知りながらこれを除外し、過少な相続税の申告書を作成・提出したものと認められ、当該行為は、事実を隠ぺいした場合に当たるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。