相続により取得した財産に係る相続開始前における賃借権の取得時効の完成、賃借権の取得という事実が判決により後発的に確定した場合、当該判決は、取得時効の完成の確定という意味において、国税通則法第23条第2項1号にいう「判決」に当たり、当該事情は当該財産の評価上、しんしゃくすべきであるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2002/10/02 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]本件において、請求人は、相続により取得した本件土地に係る立退請求訴訟において、同土地の耕作者から賃借権の取得時効を援用されたがそれを争い、同土地を何らの負担のない自用地として評価し、申告していたところ、相続開始前における賃借権の取得時効の完成を認定し、賃借権の取得を認容した本件判決が確定したものであるから、同判決は、請求人が申告に当たり本件土地の評価の基礎とした事実(何らの負担のない)と異なる事実、すなわち、相続開始時に取得時効が完成していたという事実が確定されたという意味において、国税通則法第23条第2項第1号にいう「判決」に当たり、そして、当該事情は、本件土地の評価上、しんしゃくされるべきであるから、本件判決が同号の「判決」に当たるとしてなされた本件更正の請求には、理由がある。
平成14年10月2日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 相続により取得した財産に係る相続開始前における賃借権の取得時効の完成、賃借権の取得という事実が判決により後発的に確定した場合、当該判決は、取得時効の完成の確定という意味において、国税通則法第23条第2項1号にいう「判決」に当たり、当該事情は当該財産の評価上、しんしゃくすべきであるとした事例
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