住宅取得等特別控除の対象となる家屋の取得の対価の額には、不動産仲介手数料や不動産登記費用等は含まれないとした事例
[租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1997/04/02 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例] 請求人は、中古住宅の取得に際して支払った不動産仲介手数料や不動産登記費用等は、家屋の取得に伴う経済的負担を構成する以上、仲介手数料等を家屋の取得の対価の額に含めることは租税特別措置法第41条(住宅の取得等をした場合の所得税額の特別控除)の立法の趣旨に沿うというべきであると主張する。
ところで、租税特別措置法第41条第1項は、居住用家屋を取得した場合にその取得に係る資金を一定の金融機関等から借り入れた場合には、住宅取得等特別控除の適用がある旨規定している。
ある支出が「居住用の家屋の取得等に係る請負代金若しくは取得等の対価の額」とするためには、当該支出が居住用に係る構築物等の取得の対価の額に充てられることが一つの要件と解されているところ、仲介手数料等は、家屋と併せて同一の者から取得した対価の額に充てられたものでないこと、また、家屋と仲介手数料等とは実務的に区分計算が困難であるとも認められないから、仲介手数料等は家屋の取得の対価の額に含まれないと解するのが相当である。
平成9年4月2日裁決
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