請求人の代表者名義等の普通預金口座に入金されている小切手等の一部については、売上除外による入金であると認定できず、また、債権償却特別勘定の対象としている約束手形等は請求人の債権とは認定できないとした事例
[法人税法][総則][所得の帰属][所得の帰属者]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1993/12/27 [法人税法][総則][所得の帰属][所得の帰属者] 原処分庁は、請求人の代表者及び従業員の個人名義の普通預金口座に預け入れた小切手、約束手形及び現金は、すべて請求人が売上を除外したものであると主張するが、[1]約束手形の一部については、振出人がAから融資を受けた際、Aに対し振り出したこと及び当該融資の資金を請求人が出したこと等が認められ、[2]また、小切手の一部については、振出人がBに対し貸付けのために振り出した小切手であり、振出人は請求人と取引がないこと及びBは行方不明であること等が認められることから請求人の売上金額であると認定することはできない。
また、請求人は、資産として仮払金勘定及び受取手形勘定に計上し、期末に債権償却特別勘定への繰入れの対象とした小切手及び約束手形について、代表者に一時立て替えてもらい、支払った残土捨場の権利取得につき、その取得ができなくなったため小切手及び約束手形で返済を受け、一時立替分の返済として小切手等を代表者に渡したのであるから、請求人の債権であると主張する。しかし、[1]立替えをした事実を証する資料がないこと、[2]代表者は小切手について金融機関に対し依頼返却の届けをし、同一の小切手債務者が振り出した他の小切手を返却日以降同金融機関で取り立てており又小切手に相当する金額は現に代表者に支払われたとみるのが相当であることから、これらの小切手及び約束手形を請求人の債権と認定することはできない。
平成5年12月27日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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