配当所得で節税
配当所得で節税する。複数の申告制度(総合課税・分離課税・申告不要)を使い分ける方法、配当控除、外国税額控除などについて。

贈与税更正処分取消請求事件|平成6(行ウ)321

[相続税法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成7年7月20日 [相続税法]

判示事項

1 相続税法22条の定める「当該財産の取得の時における時価」を相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56,直審(資)17国税庁長官通達,平成3年12月18日付け課評2−4課資1−6により「財産評価基本通達」と題名改正,平成2年8月3日付け直評12,直資2−203による改正前)の定める評価方法以外の方法で評価することの可否 2 負担付贈与に係る上場株式の時価を証券取引所の公表する課税時期の最終価格と評価してした贈与税の更正処分等の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

1 相続税法22条の定める「当該財産の取得の時における時価」とは,課税時期においてそれぞれの財産の現況に応じ,不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立する価格をいうところ,課税実務上は,これを相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56,直審(資)17国税庁長官通達,平成3年12月18日付け課評2−4課資1−6により「財産評価基本通達」と題名改正,平成2年8月3日付け直評12,直資2−203による改正前)によってあらかじめ定められた評価方法により画一的に評価する取扱いをしており,このような取扱いは,納税者間の公平,納税者の便宜,徴税費用の節減という見地からみて合理的であり,租税平等主義にかなうというべきであるが,同通達による評価方法を形式的,画一的に適用することによって,かえって実質的な租税負担の公平を著しく害し,また,相続税法や同通達の趣旨に反するような結果を招来するような場合には,他の合理的な方法によることが許される。 2 負担付贈与に係る上場株式の時価を証券取引所の公表する課税時期の最終価格と評価してした贈与税の更正処分等の取消請求につき,当該負担付贈与を含む一連の取引は,前記株式の,贈与時点における市場価格と相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56,直審(資)17国税庁長官通達,平成3年12月18日付け課評2−4課資1−6により「財産評価基本通達」と題名改正,平成2年8月3日付け直評12,直資2−203による改正前)による評価額とのかい離を利用して,専ら贈与税の負担を回避する目的で計画的に行われたものであり,このような取引について同通達を適用することは,株式の市場価格の偶発性を排除し評価の安全を図ろうとする同通達の趣旨に反する上,租税負担の公平を著しく害し相続税法の立法趣旨に反する著しく不相当な結果をもたらすこととなるというべきであるから,同通達の定める評価方法を形式的に適用することなく,上場株式の客観的な市場価格である前記最終価格をもって評価することに合理性があるとして,前記請求を棄却した事例
裁判所名
東京地方裁判所
事件番号
平成6(行ウ)321
事件名
贈与税更正処分取消請求事件
裁判年月日
平成7年7月20日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
贈与税更正処分取消請求事件|平成6(行ウ)321

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