買換資産の同族会社に対する貸付けは、無償貸付けであることから、特定の事業用資産の買換特例の適用がないと認定した事例
[租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1995/06/14 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例] 特定の事業用資産の買換特例は、買換資産を取得した日から1年以内に事業又は事業に準ずるものの用に供されなければならないところ(租税特別措置法第37条第1項、租税特別措置法施行令第25条第2項)、請求人らは「事業に準ずるもの」とは、買換資産の機能からみて自家用にも事業用にも使用される可能性のある資産の貸付けをいうものであり、本件買換資産は、賃借人であるL社がカラオケボックス事業として使用していることは明らかであることから、本件買換特例の適用対象資産に該当する旨主張する。
しかしながら、租税特別措置法施行令第25条第2項に規定する「事業に準ずるもの」とは、事業と称するに至らない不動産等の貸付けで相当の対価を得て継続的に行うものとされていることから、賃貸された買換資産の機能によって本件買換特例の適否が判断されるべきものではない。
ところで、被相続人は、買換資産を取得した日に当該資産をL社に賃貸しているものの、同社から賃貸料を収受していないことから、被相続人の本件買換資産の貸付行為は、L社に対する無償貸付けと認められるので、本件買換特例の適用要件である事業用又は事業に準ずるものの用にも該当しないと認めるのが相当である。
したがって、譲渡資産に係る課税長期譲渡所得金額の計算上、本件買換特例の適用がないとした原処分は相当である。
平成7年6月14日裁決
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