青色申告(所得税:推計課税の禁止)で節税
青色申告(所得税:推計課税の禁止)で節税する。恣意的な推計課税を避けることができますが、青色申告の承認の取消しに注意を払う必要があります。

法人税更正処分等取消請求控訴事件|平成8(行コ)7

[法人税法][青色申告][推計課税]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成11年2月17日 [法人税法][青色申告][推計課税]

判示事項

1 青色申告法人である都市ガス供給業等を営む会社が確定申告において計上した,都市ガスの原材料となる副生ガス仕入価額が,事業年度終了日において未確定であり,後に精算することが予定されたものであるとして,その損金算入及び精算としての仕入割戻金の益金算入を否認し,これに代わる仕入価額を認定してした法人税の更正に違法はないとした事例 2 都市ガス供給業等を営む会社が確定申告において計上した,都市ガスの原材料となるブタンガス仕入価額のうち,同会社の取締役が経営責任者を兼ねその他の役員も同会社の役員により構成されている仕入先会社からの仕入価額が,他の仕入先からの仕入価額に比して極めて高額であるとして,その仕入価額のうち適正額を超える部分を寄附金と認定してした法人税の更正に違法はないとした事例

裁判要旨

1 青色申告法人である都市ガス供給業等を営む会社が確定申告において計上した,都市ガスの原材料となる副生ガス仕入価額が,事業年度終了日において未確定であり,後に精算することが予定されたものであるとして,その損金算入及び精算としての仕入割戻金の益金算入を否認し,これに代わる仕入価額を認定してした法人税の更正につき,副生ガスの料金についてはガス事業法上の認可を受ける必要があるところ,供給会社にとって同ガスは無価値な副産物であり,同ガスの唯一の供給先である前記都市ガス会社が認可申請価格の設定に主導権を握り高水準の価格を維持する一方,とりわけ当該各事業年度の取引につき,その後の精算においても前記供給会社は前記都市ガス会社に対しガス事業法により認可を受けた価格の60パーセントを超える他の事業年度に比して突出して高率の金員を支払っていたことなどからすると,少なくとも当該各事業年度の取引につき前記認可価格をもって法人税法22条3項1号の「売上原価」と評価するのは相当でないから,副生ガス仕入価額が後に精算することを予定した仮の価格であることを前提として,同仕入価額の損金算入及び仕入割戻金の益金算入を否認し,同項により事業年度の収益に対応した仕入価額を見積もるに当たり,同業他社のブタンガスの最高仕入価額を仕入価額と認定してした前記更正は,一般に公正妥当な会計処理の基準に従い,同項により仕入価額を適正に見積もったものであり,また,帳簿記載のみでは実額が認定できない場合でも,帳簿記載以外の資料から仕入価額の実額と評価できる金額を直接認定できるのであれば,それに基づいて更正することは可能であるところ,前記仕入価額の認定は,調査資料を用いて実額の課税標準を直接認定したものであって同法131条所定の推計課税に該当するとは解されないから,前記更正に実体上及び手続上の違法はないとした事例 2 都市ガス供給業等を営む会社が確定申告において計上した,都市ガスの原材料となるブタンガス仕入価額のうち,同会社の取締役が経営責任者を兼ねその他の役員も同会社の役員により構成されている仕入先会社からの仕入価額が,他の仕入先からの仕入価額に比して極めて高額であるとして,その仕入価額のうち適正額を超える部分を寄附金と認定してした法人税の更正につき,形式的にみる限り,法人税法37条6項は,寄附金等の額の基準時について定め,同条7項はいわゆる資産の低額譲渡について定めているものということができるが,一般的に寄附がその前提としている贈与は,自己の損失において他者に利益を与える法律行為であり,前記低額譲渡といわゆる高額譲受とではその利益の内容がそれぞれ財産権と金銭であるという違いはあるものの,経済的利益という点でこれを区別する理由は存しないから,同項も高額譲受の場合を排斥するものではないとした上,前記会社が各仕入先からブタンガスを仕入れるに当たっては,当事者間で適宜設定した仕入単価に基づき毎月供給量に応じた代金を支払い,その後,適宜過去にさかのぼって精算の合意を行っていたところ,同精算前の各仕入価額においては大きな格差はないものの,同精算後の価額では,前記仕入先会社との間におけるものと他の仕入先との間におけるものとで前記精算の合意の頻度及び精算の合意後の価額の点で極めて大きな差異が存在し,このように不自然な取引をしたのは,前記会社の利益を同族会社である前記仕入先会社との間で分散させ,これによって前記会社の課税所得額を減少させる手段の一環であったと解されるから,前記仕入先会社からの仕入価額が適正であったと解すことはできず,同仕入価額のうち適正価額を超過する部分(贈与部分)をそのままにしておくと減価償却費や譲渡原価等に形を変えて損金算入される結果となることは資産の低廉譲渡等の場合と同様であるから,同条6項により同部分を寄附金と認定して寄附金の損金算入限度額を超える部分の損金算入を否認して所得金額に加算した前記更正に実体上の違法はないとした事例
裁判所名
福岡高等裁判所
事件番号
平成8(行コ)7
事件名
法人税更正処分等取消請求控訴事件
裁判年月日
平成11年2月17日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
法人税更正処分等取消請求控訴事件|平成8(行コ)7

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