医療法人の出資持分の評価は財産評価基本通達に定める方法により算定した価額が相当であるとした事例
[消費税法][申告、更正の請求の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2003/03/25 [消費税法][申告、更正の請求の特例] 請求人らは、医療法人は非営利法人であり株式会社とは性格を異にすること及び相続税法9条は同族会社のみに適用すべきと解されることから本件増資に贈与税を課税することは誤っており、また、医療法人の場合、増資持分の権利は、増資後の期間に及ぶ(東京高裁平7.6.14判決)のであるから、増資により取得した持分の価額は出資額と同額となり経済的利益は生じないので、同条は適用されない旨主張する。
しかしながら、本件医療法人は、持分の定めのある社団医療法人であり、同法人の新定款全体の定めや定款の変更の可能性の有無などを総合的に判断すると、本件増資により取得した財産権たる持分の価額と本件増資に係る出資額との差額を本件増資により取得したものと認められ、相続税法9条の規定は医療法人を除く旨定めたものでもないから、同条の規定の適用があるものと解される。また、請求人の主張する判決は、事件の個別事情を考慮した判決であって、医療法の解釈として請求人の主張するような趣旨を判示したものとは認められない。
平成15年3月25日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 医療法人の出資持分の評価は財産評価基本通達に定める方法により算定した価額が相当であるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(消費税法>申告、更正の請求の特例)
- 財産評価基本通達に定められた評価方法により算定される価額が時価を上回る場合、同通達の定めにより難い特別な事情があると認められることから、他の合理的な評価方法により評価することが許されるとした事例
- 請求人が、被相続人の財産から親族に支払った金員は、相続開始後に成立した贈与契約に基因するもので、相続開始の際に現に存する確実な債務ではないとした事例
- 評価対象地は、道路を開設するなどした開発を行うことが最も合理的であり、広大な市街地農地として評価するのが相当であるとした事例
- 建物の賃貸借予約契約は、将来の賃貸借契約を締結させる義務を確認するものであり、事実上の賃貸借契約の締結と認めることはできないので、本件土地を貸家建付地として評価することはできないとされた事例
- 権利関係が錯綜した貸宅地の評価について、財産評価基本通達によらず原処分庁側の鑑定評価額によることが合理的であるとした事例
- 自動車教習所のコースとして貸し付けられている土地に係る賃借権の残存期間は、更新されることが明らかである場合には、更新によって延長されると見込まれる期間をも考慮すべきであるとした事例
- 借地権者の地位に変更がない旨の申出書を提出後その土地の所有権者が建物を建て替えた場合その借地権は所有権者に無償で返還され消滅している旨の請求人の主張を排斥した事例
- 死後認知裁判により相続人となった者であっても相続により財産を取得した時及びその財産の評価の時点は相続の開始の時であるとした事例
- 被相続人名義で取得した不動産及び当該不動産の取得資金に充てられた借入金につき、相続財産及び被相続人の債務とは認められないとした事例
- 財産評価通達24−2により評価した土地区画整理事業の施行区域内の土地の評価額は、適正であるとされた事例
- 被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例
- 配偶者の税額軽減に係る承認申請の却下処分を適法とした事例
- 相続人の一人が遺産分割により取得し同族会社に一括貸ししていた単独所有地及び共有地の評価単位は、全体を一画地として評価するのが相当とした事例
- 存続期間が100年を超える地上権の設定であっても、建物の所有を目的とする場合には借地法の法的保護の下にあるから、相続税法第23条“地上権及び永小作権の評価”の適用はないとした事例
- 死因贈与契約に基づき権利を取得した請求人らが、自己のために相続の開始があったことを知った日は、「相続債権者・受遺者に対する債権申出催告の公告に係る請求申出期間満了日」ではなく、「被相続人の死亡を知った日」であるとした事例
- 相続開始後の和解で相続権確認の訴えの取下げの代償として支払うこととした金銭債務は相続債務ではないとした事例
- 相続人である配偶者が、当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたとは認められず、相続税法第19条の2第5項に規定する隠ぺい仮装行為はなかったとした事例
- 使用貸借により貸し付けられている土地について、使用借人が賃貸建物の敷地として利用していても自用地の価額により評価するのが相当であるとした事例
- 宗教法人に対する贈与が贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認定した事例
- 相続開始後にされた修繕工事代金相当額は、相続税の課税価格の計算における債務控除をすることができないと判断した事例(令和元年8月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。