居住用土地建物及び非居住用土地建物と一体で利用されていた私道を譲渡した場合において、当該私道の面積のうち租税特別措置法第35条に規定する特例の適用がある部分は、居住用土地及び非居住用土地の各面積を基にあん分により求めた面積とすることが相当であるとした事例(平成24年分の所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・一部取消し・平成27年1月23日裁決)
[租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][居住用財産の譲渡所得の特別控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2015/01/23 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][居住用財産の譲渡所得の特別控除]《要旨》 請求人は、居住の用に供していた家屋(本件居住用家屋)の敷地(甲土地)のほか、甲土地に隣接する土地上にあった通路(本件通路)のうち4分の1に相当する部分にも、租税特別措置法第35条《居住用財産の譲渡所得の特別控除》第1項に規定する特例の適用がある旨主張する。
しかしながら、同項に規定する「居住の用に供している家屋の敷地」であるかどうかは、当該土地等が当該家屋と一体として利用されている土地等であったかどうかにより判定することが相当である。これを本件についてみると、本件通路は、本件居住用家屋のほか、本件通路に面している6棟の建物(本件各空家)の出入りにも必要な土地であり、現に、その出入りに利用されてきた土地であることから、本件居住用家屋及び本件各空家と一体で利用されていた土地であると認められる。そうすると、本件通路のうち租税特別措置法第35条第1項に規定する居住の用に供している家屋の敷地に該当していた部分は、本件通路を本件居住用家屋と本件各空家に対応する部分であん分した本件居住用家屋に対応する部分とすることが合理的であると認められる。そして、そのあん分に当たっては、本件通路は甲土地及び本件各空家の敷地への出入りに利用されていた土地であるから、甲土地及び本件各空家の敷地面積を基にあん分することが合理的である。したがって、請求人の主張は採用できない。
《参照条文等》 租税特別措置法第35条 租税特別措置法通達(山林所得・譲渡所得関係)31の3-12
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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