空家の期間が1年を超える居住用家屋の譲渡について租税特別措置法第35条の規定を適用できないとした事例
[租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][居住用財産の譲渡所得の特別控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1976/09/13 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][居住用財産の譲渡所得の特別控除]裁決事例集 No.13 - 63頁
租税特別措置法(昭和50年法律第16号による改正前のもの)第35条による特別控除の対象となる家屋は、譲渡時において実際に居住の用に供しているものに限るべきところ、譲渡時において当該家屋を空家にした場合においても、執行上は、他の用途に供することなく空家とした日から1年以内に譲渡したものに限り、従前の居住用の用途が継続しているものとして、同条の適用を認めることとしている。執行上、空家の期間を1年と定めているのは、同じく同条に規定されている災害により滅失した居住用家屋の敷地の譲渡における1年の期間制限と比較考量しているためと認められる。すなわち、災害という最悪の事態の場合においても、災害のあった日から1年以内に譲渡されたものに限り、同条の特別控除を認めているのであるから、災害以外の事由による場合に1年を超える期間延長をすることは不相当と認めたためと解され、空家とした期間が1年を超えている本件の場合においては、たとえ空家となった後貸家等の用に供しなかったとしても同条の特別控除の適用は認められない。
昭和51年9月13日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 空家の期間が1年を超える居住用家屋の譲渡について租税特別措置法第35条の規定を適用できないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(租税特別措置法>所得税法の特例>譲渡所得の特例>居住用財産の譲渡所得の特別控除)
- 居住用及び貸間用に併用されている家屋の敷地のうち観賞用の庭園等として利用されている部分を居住専用部分と認定した事例
- 被相続人が所有していた建物が火災で焼失した後に当該建物の敷地を相続により取得し、当該敷地をその後に譲渡した場合、相続人は、当該建物の所有者として居住の用に供していた事実は認められず、3,000万円特別控除の対象となる居住用財産の譲渡には該当しないとした事例
- 二以上の家屋が併せて一構えの家屋であると認められるか否かについては、まず、それぞれの家屋の規模、構造、間取り、設備、各家屋間の距離等の客観的状況によって判断すべきであり、個人及びその家族の使用状況等の主観的事情は二次的に考慮すべき要素にすぎないとした事例
- 家屋に係る居住用財産の特別控除不足額をその家屋の敷地の所有者である叔母の譲渡所得金額から控除することはできないとした事例
- 夫婦が隣接して各自所有していた不動産の一方は居住用財産に当たらないとした事例
- 譲渡した家屋は生活の本拠として居住の用に供していたものではないから租税特別措置法第35条第1項に規定する居住用財産に該当しないとした事例
- 請求人が相続により取得した甲建物及び本件宅地は、同人が取得後一度も居住しないままに譲渡しており、また、乙建物等は買主が取得後すぐに取り壊していることに加え、本件土地の売買価額の清算条項の土地清算単価に宅地の面積を乗じた価額は売買代金に一致していること等から、譲渡対価はすべて宅地の対価と認められ、居住用財産の課税の特例は適用されないとした事例
- 居住の用に供している一構えの家屋の一部を譲渡した場合において、譲渡した部分以外の部分が機能的にみて独立した居住用家屋と認められる場合には、居住用家屋の譲渡には該当しないとした事例
- 居住用財産の譲渡と認めなかった事例
- 転勤前に居住していた旧家屋を除却し、建替え中であった建築中の家屋を譲渡した場合、租税特別措置法第35条の規定の適用はできないとした事例
- 買換土地のうち買換家屋が建っている部分とはブロックフェンスで区分され、アスファルトで舗装されて請求人の自家用車の駐車場、物干場及び子供の遊び場として利用されている部分も買換家屋の敷地といえるとした事例
- 譲渡物件は妻との共有ではなく、請求人の単独所有であるから、不動産の譲渡所得はすべて請求人に帰属すると認定した事例
- 請求人の譲渡した家屋及びその敷地は、病気の老母の看護のために居住していたとする請求人の主張を排斥して、居住用財産とは認められないから租税特別措置法第35条の特例を適用することはできないとした事例
- 居住用家屋を取り壊した日から1年以内にその敷地の譲渡契約が締結されていないとした事例
- 本件家屋の近隣住民の答述、家屋の電気の使用量や通勤手当の受給状況等からみて、譲渡した土地等は、租税特別措置法第35条等で規定する居住用財産に当たらないとした事例
- 本件建物の2階を居住用とし、1階を店舗工場として同族会社に賃貸していた請求人が、当該同族会社の倒産後において1階部分を居住用に改装した事実はなく、また、居住用として利用する必然性も認められないので、1階部分については、居住用財産の課税の特例の適用はできないとした事例
- 夫婦共有の居住用財産を一体として譲渡して、譲渡益をあん分し、夫婦それぞれの特別控除の限度額の合計額を控除するような恣意的な計算を行うことは許されないとした事例
- 請求人が、従前家族とともに居住していた借家の近くに取得したマンションは、譲渡時点においては、生活の本拠として認められないので租税特別措置法第35条の適用はないが、かつての居住状態から、同マンションを生活の本拠と理解していたことは相当の理由があると認められる等から、重加算税の賦課は相当でないとした事例
- 高床式居宅兼共同住宅の床下部分の土地が賃貸駐車場として利用されている場合においてその敷地全体を居住用、事業用の併用であると判定した上、その土地の譲渡価額を居住用部分と事業用部分に区分計算すべきであるとした事例
- 10年以上居住の用に供していた家屋及びその敷地について、贈与を受けた直後に譲渡した場合には、租税特別措置法第35条の適用を受けることはできないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。