取引相場のない出資を純資産価額方式により評価するに当たり、割賦販売に係る未実現利益の金額は控除できないとした事例
[相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1982/03/30 [相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]裁決事例集 No.23 - 201頁
取引相場のない割賦販売会社の出資の評価に当たっては、割賦販売に係る未実現利益の金額を負債として控除すべきであると請求人は主張するが、[1]割賦販売は、契約と同時にその効力が生じるものであり、原則として、その商品等を引き渡した時に法人税法上収益が実現しているものであること、[2]割賦基準は、法人税の課税上特例として認められているものであり、相続税における出資の評価に係る純資産価額の計算についてまで認められているものではないこと、[3]取引相場のない株式又は出資の時価を純資産価額により評価するに当たっては、相続開始時においてその法人に帰属している経済的価値を純資産として評価すべきものと解され、総資産価額から控除されるのは対外負債のみであること、[4]本件会社の直前期末の貸借対照表の負債の部に計上されている未実現利益引当金は、支払先の確定した対外負債ではないことから、未実現利益の金額を負債として控除することは相当でない。
昭和57年3月30日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 取引相場のない出資を純資産価額方式により評価するに当たり、割賦販売に係る未実現利益の金額は控除できないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(相続税法>財産の評価>土地及び土地の上に存する権利)
- 土地(私道)が不特定多数の者の通行の用に供されていたとは認められないからその土地の価額は自用宅地の価額の60パーセントに相当する金額により評価することが相当であるとした事例
- 傾斜度が30度を超える土地であることから財産評価基本通達に定める方式ではなく個別評価が相当である旨の主張を認めた事例
- 財産評価基本通達の定めにより配当還元方式で評価されることを利用して贈与税の負担の軽減を図る目的で取得した本件株式については、時価純資産価額を基に評価するのが相当であるとした事例
- 有限会社の出資の評価に当たって、賃借人である評価会社が賃借建物に設置した附属設備は、工事内容及び賃貸借契約からみて有益費償還請求権を放棄していると認められるから、資産として有額評価することは相当でないとした事例
- 使用貸借により貸し付けられている土地について、使用借人が賃貸建物の敷地として利用していても自用地の価額により評価するのが相当であるとした事例
- 高圧線が架設されている線下地の相続税評価額を更地価額の20パーセント減で評価した事例
- 土地区画整理事業地内の評価対象地につき、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないことから、財産評価基本通達24−4(広大地の評価)の適用はないとした事例
- 評価対象地は、道路を開設するなどした開発を行うことが最も合理的であり、「広大地」として評価するのが相当であるとした事例
- 権利関係が錯綜した貸宅地の評価について、財産評価基本通達によらず原処分庁側の鑑定評価額によることが合理的であるとした事例
- 財産評価基本通達188の規定に基づき株主区分の判定を行うに当たり、発行済株式数から控除する株式は、同188−3及び同188−4に定める株式に限られず、むしろ同188の定めにおける発行済株式数に、議決権を有しないこととされる株式及び議決権のない株式は、当然に含まれないとした事例
- 農業の主たる従事者の死亡により、市町村長に買取りの申出ができる生産緑地の価額は、生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に100分の5の割合を乗じて計算した金額を控除した価額で評価するのが相当であるとした事例
- 請求人の家屋が建築されている宅地は、以前請求人が地上権を有していたが、その建築前に地上権は抹消登記されており、かつ、地代の支払もないから、その貸借は使用貸借と認められ、自用地としての価額により評価するのが相当であるとした事例
- 取引相場のない株式につき発行会社との間で譲渡価額を額面価額による旨を誓約している場合において、額面価額による評価は採用できないとした事例
- 財産評価基本通達185のかっこ書に定める「通常の取引価額」は、評価会社の帳簿価額よりも鑑定評価書の鑑定評価額によることが相当であるとした事例
- 被相続人の所有に係る相続人の居住用家屋の敷地は、借地権の目的となっている土地ではなく自用地であるとした事例
- 取引相場のない株式の相続税の評価額について、特定の上場会社を比準会社として計算した評価額は採用できないとした事例
- 相続開始日現在、都市計画案の生産緑地地区内にあった農地について、相続開始後、生産緑地として指定されたとしても、財産評価基本通達40−2を適用して評価することはできないとした事例
- 定期預金の評価上、既経過利子の額の算出については、解約利率により算出した額から、源泉徴収所得税相当額を控除すべきであるとした事例
- 課税時期が合併契約締結後合併期日までの間にある場合において、課税時期における株式の価額は、合併後の会社の純資産価額に影響されないとした事例
- 貸家を建替中の敷地について相続が開始した場合、旧建物の賃借人との賃貸借契約が解除された部分に相当する宅地については、貸家建付地に当たらないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。