存続期間が100年を超える地上権の設定であっても、建物の所有を目的とする場合には借地法の法的保護の下にあるから、相続税法第23条“地上権及び永小作権の評価”の適用はないとした事例
[相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1992/04/20 [相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]請求人は、[1]本件地上権の存続期間が通常の場合の3ないし6倍で、かつ、堅固な建物が建築されており、[2]登記された地上権は使用権利の中で最も強く、しかも本件宅地の固定資産税の負担者は地上権者であるから、相続税財産評価基準に定める借地権割合(70パーセント)でなく相続税法第23条に規定する場合(90パーセント)によるべきである旨主張するが、[1]建物所有を目的とする場合には、地上権と賃貸借は法的性格を異にするとしても経済的価値及び法的機能面で実体を同じくし、また、借地法による法的保護は期間の長短による差異はなく、[2]相続税財産評価基準で定めた借地権割合は状況類似地域ごとに売買実例等を基に実態に即して評価しているので合理性があるから、借地権割合は70パーセントとするのが相当である。
平成4年4月20日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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