1. 請求人が土地の価額に影響を及ぼすと主張する諸要因は、路線価額に折込み済みであるとした事例2. 借地権の目的となっている宅地は、評価通達によって評価すべきであり、収受している地代を基にして収益還元法によって評価すべきでないとした事例

[相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

1991/01/25 [相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]

裁決事例集 No.41 - 313頁

 請求人は、本件宅地は、下水処理場に近接し、かつ、駅から遠い等地理的条件が悪いので、路線価額の2分の1相当額で評価すべきであると主張するが、本件宅地の正面路線価とした路線価額は、隣接する路線の価額に比べていずれも相当程度低くなっており、下水処理場に近接していること等の評価に影響する諸々の事情が折り込まれていることは明らかで、請求人の主張は採用できない。
 請求人は、貸宅地は、自用地の場合と異なり、市場性又は換金性に欠けるとともに土地の価額が上昇しても地代の値上げもできない状況にあり、また、土地所有者が地代以外の収益を受領し得るのは借地権の譲渡承諾料あるいは増改築時の承諾料であるが、いずれも何十年に1回あるかないかわからないものであるから、実際に収受している地代を基として収益還元方式で評価すべきであると主張する。
 しかしながら、収益還元方式による評価は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益を算定するために予測される諸要素を的確に把握すること、及び収益還元率を正しく定めなければならないが、これらの諸要素を客観的に把握することが困難であることから、これによる評価額は、相続財産の取得時の時価を性格に反映しているものとは認められず、理論的にはともかく、本件貸宅地の評価方法としては採用することができない。
 原処分は、本件貸宅地の価額を、評価通達及び評価基準に従って評価しているが、評価基準は、借地権及び底地部分の売買実例及び精通者の意見価格等を参考にして類似する地域ごとに定められており、特段不合理な点があるとは認められない。
国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
1. 請求人が土地の価額に影響を及ぼすと主張する諸要因は、路線価額に折込み済みであるとした事例2. 借地権の目的となっている宅地は、評価通達によって評価すべきであり、収受している地代を基にして収益還元法によって評価すべきでないとした事例

関連するカテゴリ

関連する裁決事例(相続税法>財産の評価>土地及び土地の上に存する権利)

  1. 取引相場のない出資を純資産価額方式により評価するに当たり、割賦販売に係る未実現利益の金額は控除できないとした事例
  2. 取引相場のない株式の相続税の評価額について、特定の上場会社を比準会社として計算した評価額は採用できないとした事例
  3. 堅固な建物の存する土地に隣接する駐車場については借地権が存在しないとした事例
  4. 土地(私道)が不特定多数の者の通行の用に供されていたとは認められないからその土地の価額は自用宅地の価額の60パーセントに相当する金額により評価することが相当であるとした事例
  5. 相当の地代を支払って賃借していた土地に係る借地権につき相続税の課税価格に算入される価額はないとした事例
  6. 船舶の価額は、売買実例価額が明らかでないとしても、精通者意見価格が明らかな場合は、精通者意見価格によって評価すべきであるとした事例
  7. 類似業種比準方式における1株当たりの利益金額の計算上、匿名組合契約に係る分配金は非経常的な利益ではないから法人税の課税所得金額から控除すべきではないとした事例
  8. 雑種地の価額を宅地比準方式により評価したのは相当であるとされた事例
  9. 貸宅地の評価においては、一般に借地権価額控除方式には合理性があり、また、請求人らが採用した収益還元方式の「純収益」や「還元率」は標準化されたものとは認められないとして、請求人らの主張する評価方式を排斥した事例
  10. 実際地積が固定資産税評価額算定上の課税地積と異なる土地の倍率方式による評価額について実際地積により評価すべきであるとした事例
  11. 使用貸借により貸し付けられている土地について、使用借人が賃貸建物の敷地として利用していても自用地の価額により評価するのが相当であるとした事例
  12. 貸付金債権の評価につき、その会社の資産状況及び営業状況等が破たんしていることが明白かつ債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められないから、その一部を回収不能として減額することは認められないとした事例
  13. 相続により取得した土地が無道路地であるとの請求人の主張を排斥した事例
  14. 取引相場のない株式の評価を類似業種比準方式で行うに当たって、評価会社の1株当たりの配当金額及び利益金額を最大5年間までさかのぼって算定すべきである旨の請求人の主張を排斥した事例
  15. 第三者に貸し付けられている被相続人と他の共同相続人との共有建物の敷地の評価に当たり、当該敷地には当該他の共同相続人の当該建物に係る地上権は存在しないとした事例
  16. 高圧線が架設されている線下地の相続税評価額を更地価額の20パーセント減で評価した事例
  17. 相続により取得した土地は、いわゆるマンション適地等に該当するので、財産評価基本通達24−4に定める広大地に該当しないとした事例
  18. 評価対象地は、道路を開設するなどした開発を行うことが最も合理的であり、広大な市街地農地として評価するのが相当であるとした事例
  19. 路線価の付されていない私道に接する宅地の価額は、その私道と状況が類似する付近の道路に付された路線価に比準してその私道の仮路線価を評定し、その仮路線価に基づき計算した価額によって評価するのが相当であるとした事例
  20. 1. 本件贈与土地を評価するに当たり、過去3年分の路線価の平均額に基づいて算定することは相当ではないとした事例2. 本件土地の使用関係は、使用貸借であると認められるから、更地と同様に評価すべきであるとした事例

※最大20件まで表示

税法別に税務訴訟事例を調べる

当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。


戦略的に節税するための無料ツール

一括節税計算機
※所得を入力して、税目別に税額を一括比較する
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
新着情報 RSS
01/29 生命保険で節税
02/08 所得税の延納(利子税)で節税
09/26 経営セーフティ共済で節税
02/22 役員報酬(事前確定届出給与)で節税
02/19 不動産(再建築費評点基準表)で節税
新着情報を見る
節税対策ブログ
02/13 所得税確定申告で誤りの多い12項目(2019年度版)
01/29 死亡退職金の受取人(役員退職慰労金規程と相続税)
02/22 所得税確定申告で誤りの多い事例とは
02/02 クレジットカードポイント等の税務処理
02/01 ふるさと納税特産品と株主優待の税務処理
節税対策ブログを見る
アクセス数
今日:35
昨日:360
ページビュー
今日:204
昨日:861

ページの先頭へ移動