被相続人の先代の相続財産の遺産分割について、家裁の調停が成立し、代償分割による代償金を請求人らが受領したことは、被相続人が先代から相続により取得した代償債権を請求人らが本件相続により取得したと解するのが相当であるとした事例
[相続税法][相続税の課税価格の計算][分割財産に係る課税価格]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1998/06/23 [相続税法][相続税の課税価格の計算][分割財産に係る課税価格] 請求人らは、被相続人の先代の相続財産の遺産分割について、家庭裁判所の調停が成立し、代償分割による代償金を受領したことは、既に本件相続に係る相続税の申告に含め課税された不動産に係る持分権の一部を失う代わりに、先代の共同相続人の一人から代償金を受領したものであるから、代償金は持分権の譲渡代金であって相続財産ではなく、また、これにより生じた所得は、所得税法第9条第1項第15号により非課税となる旨主張する。
しかしながら、請求人らは、本件調停によって被相続人に代位して代償金を取得したのであり、このことは、被相続人が先代から相続により取得した代償債権を、被相続人の死亡を原因として、請求人らが被相続人から取得したと解するのが相当であるので、本件相続開始日における代償債権の価額を評価して、当該価額を本件相続税の課税価格とすることが相当である。
平成10年6月23日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 被相続人の先代の相続財産の遺産分割について、家裁の調停が成立し、代償分割による代償金を請求人らが受領したことは、被相続人が先代から相続により取得した代償債権を請求人らが本件相続により取得したと解するのが相当であるとした事例
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