外国法人から日本における独占販売権を取得した取引は国外取引であり、その対価の支払いは課税仕入れに該当しないとした事例
[消費税法][税額控除等][仕入税額控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2001/12/21 [消費税法][税額控除等][仕入税額控除] 請求人は、本件独占販売権は、E国のG社から取得したものであるが、本件独占販売権に基づき、本件譲受け直前まで日本国内で営業活動をしていたのはG社の日本子会社H社であり、H社のノウハウ、人的資源等も引き継いでいることから「これらの権利に係る事業を行う者の住所地」は、H社の住所地(日本)であると認められ、本件独占販売権を取得した取引は、消費税法上、国内取引に当たると主張する。
しかしながら、本件支払金は、G社が保有する本件製品の独占販売店の権利の価値(独占販売により稼得することができる将来の収益)を認めてG社へ支払われたものであり、G社が本件独占販売権をH社又は請求人に付与することによって、G社自体が本件独占販売権に係る事業を行っていると認められる。そうすると、本件独占販売権の譲渡者であるG社の所在地はE国であるので国外取引となり、課税仕入れに該当しない。
平成13年12月21日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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