宅地の売買契約が成立して特約による所有権移転時期前に買主に相続が開始した場合、相続財産は所有権移転請求権であるとした事例
[相続税法][相続税の課税財産の範囲]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1986/04/25 [相続税法][相続税の課税財産の範囲]裁決事例集 No.31 - 173頁
本件において、売買契約書上所有権移転の時期を売買代金完済の時と定めており、残代金の支払及び所有権移転登記申請手続は、被相続人の死亡の時にはまだ行われていなかったのであるから、買主である被相続人は、その死亡の時までに本件土地の所有権を取得していたということはできず、本件売買契約により本件土地の所有権移転請求権を取得していたにすぎない。
したがって、請求人は、本件相続により本件土地の所有権を取得したのではなく、本件売買契約に基づいて本件土地の所有権移転請求権を取得したとするのが相当である。
昭和61年4月25日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 宅地の売買契約が成立して特約による所有権移転時期前に買主に相続が開始した場合、相続財産は所有権移転請求権であるとした事例
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