海砂を採取する権利の取得に際し、利害関係のある漁業協同組合の同意を得るために支払った漁場迷惑料は、仕入税額控除の対象となる課税仕入れの対価とはならないとした事例
[消費税法][税額控除等][仕入税額控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1994/11/02 [消費税法][税額控除等][仕入税額控除] 請求人は、A漁業協同組合に漁場迷惑料を支払ったことについて、海砂を採取する権利である資産の取得であるから、消費税法第2条第1項第12号に規定する課税仕入れに該当し、同迷惑料は課税仕入れに係る支払対価の額に該当すると主張する。
しかし、請求人が、海砂採取の許可の申請に当たり、県の指導方針により、A漁業協同組合の同意を得るため漁場迷惑料を支払った事実はあるが、海砂は国有財産であり、A漁業協同組合は海砂の所有権又は海砂を採取し若しくはこれを認める独立の法律上・慣習上の権利等を有していないと認められ、また、A漁業協同組合の有する漁業権には海砂採取及びそれに関する作業を行う権利は含まれていない。したがって、請求人が、利害関係者の同意を得るため何らかの金員を支払うことが実際上必要であるとしても、A漁業協同組合の地位は上記のとおりであるから、当該金員について、資産の譲受けの対価又は借受けの対価に該当するということはできず、仕入税額控除を適用することはできない。
平成6年11月2日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 海砂を採取する権利の取得に際し、利害関係のある漁業協同組合の同意を得るために支払った漁場迷惑料は、仕入税額控除の対象となる課税仕入れの対価とはならないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(消費税法>税額控除等>仕入税額控除)
- 請求人が取得した賃貸用建物は課税期間内に引渡しを受けているから消費税の仕入税額控除を認めるべきであるとした事例
- 絵画美術品の仕入先元帳等に記載された取引の相手方の氏名又は名称について、その氏名又は名称が虚偽のものと推定されるとして、消費税の仕入税額控除を適用することはできないとした事例
- 塗料を材料として家具の塗装を行う行為は、いわゆる家具の塗装業であり、卸売業に該当しないとした事例
- 外国法人から日本における独占販売権を取得した取引は国外取引であり、その対価の支払いは課税仕入れに該当しないとした事例
- マッサージ師に支払った外注費は、所得税法第28条に規定する給与等に該当するので、消費税法第2条第1項第12号に規定する課税仕入には該当しないとされた事例
- 請求人が取得した介護施設に係る課税仕入れの用途区分については、課税用ではなく共通用であるとした事例
- 個別対応方式による仕入税額控除額の計算に当たり、一括仕入れの調剤薬品等の仕入れを共通売上対応分であるとした用途区分に区分誤りはなかったとした事例
- 請求人が自らの判断で簡易課税制度選択の届出をした限りは、任意に本則課税によって申告することはできないとした事例
- 消費税につき提出した「簡易課税制度選択届出書」の効力は、課税期間の基準期間における課税売上高が3,000万円以下となった場合に提出することとされている「納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出によっては、失効しないとされた事例
- 請求人の営む事業は、消費税法施行令第57条第5項第4号に規定する第五種事業に該当するとした事例
- 真実の仕入先の名称等が記載されていない帳簿等は消費税法第30条第7項に規定する帳簿保存要件を満たす帳簿等には該当しないから、これに係る消費税の仕入税額控除は認められないとした事例
- 軽油引取税の特別徴収義務者ではない者から軽油を引き取る者が支払う軽油引取税相当額は、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するとした事例
- 本件浜買いに係る取引実態は、消費税法施行令第49条第2項に規定する再生資源卸売業に準ずる課税仕入れの取引実態にないとした事例
- 請求人が提示した出面帳に記載された事項のうち、法定記載要件を具備している部分については、課税仕入れ等の税額に係る帳簿に該当するとして、消費税の納付すべき税額の計算上、当該部分に係る仕入税額控除の適用を認めた事例
- 簡易課税におけるみなし仕入率の適用に際し、歯科技工所は製造業ではなくサービス業に該当するとした事例
- 店頭における商品の仕入れに際し、仕入先が言うままの名称を帳簿等に記載している仕入取引については、その名称が真実のものでないと推認されるとして、消費税の仕入税額控除は適用できないとした事例
- 帳簿等には、仕入先としてその氏名の氏に相当する部分が記載されているのみであり、また、請求人は、本件調査の際に本件仕入先を明らかにして記載不備を補完しようとしなかったことから、帳簿又は請求書等の保存がない場合に該当するとして、仕入税額控除の適用は認められないとした事例
- 簡易課税制度選択届出書の提出があり、その後簡易課税制度不適用届出書の提出がないので、本件課税期間については簡易課税制度を適用した更正処分等は適法であるとした事例
- 請求人が第一種事業として主張する廃油回収販売業は、第一種事業、第四種事業及び第五種事業から成る事業に該当するとした事例
- 請求人が取得した建物及び水道施設利用権に係る個別対応方式における課税仕入れの用途区分について、それぞれ取得の日の状況で判断した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。