返還を受けた利息制限法の制限超過利息|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
貸金業者から借り入れた家事上の借入金について利息を支払っていました。その利息のうち利息制限法に規定する利息の制限額を超える部分(以下「制限超過利息」といいます。)について過払金の返還を求める訴訟を提起したところ、判決により、制限超過利息は元本に充当された上で、なお過払となっている部分の金額が返還され、その返還までの利息の支払を受けることになりました。
この場合、課税上どのように取り扱われますか。
【回答要旨】
返還金について課税関係は生じませんが、返還金に付された利息については、その支払を受けた日の属する年分の雑所得の金額の計算上総収入金額に算入します。
過払分として返還された制限超過利息は、利息として支払った金銭のうち払い過ぎとなっている部分について返還を受けたものであり、所得が生じているものではありません。このため、制限超過利息の支払額が各年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入されている場合を除き、課税関係は生じませんが、返還金に付された利息については、その支払を受けた日の属する年分の雑所得の金額の計算上総収入金額に算入する必要があります。
なお、制限超過利息の支払額が各年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入されている場合にはこれを修正する必要があります。この場合、それが不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に係るものであるときには、制限超過利息の合計額(元本に充当された部分の金額及び返還を受けた部分の金額の合計額)を、判決のあった日の属する年分のこれらの所得の総収入金額に算入し、また、返還金に付された利息の額を、その支払を受けた日の属する年分の総収入金額に算入します。
また、制限超過利息の支払額が事業的規模に至らない不動産所得又は雑所得を生ずべき業務に係る必要経費に算入されているときには、その制限超過利息の支払額が必要経費に算入されないことになりますので、必要経費に算入した各年分の所得税について修正し、返還金に付された利息の額を、その支払を受けた日の属する年分の総収入金額に算入する必要があります。
【関係法令通達】
所得税法第36条、第37条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/03/05.htm
関連する質疑応答事例(所得税)
- 旧定率法を選定していた者が新たに資産を取得した場合
- 不妊症の治療費・人工授精の費用
- 入院患者の食事代
- 権利行使価額を「新株予約権発行の取締役会決議日の前日の終値」とした場合の税制適格の判定
- 差額ベッド料
- 病院に支払うクリーニング代
- 数年間にわたり支払を受ける保険金
- 肉豚価格差補事業に係る返還金
- 資本的支出の取得価額の特例
- 役員に付与されたストックオプションを相続人が権利行使した場合の所得区分(6か月以内に一括して行使することが条件とされている場合)
- 居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例等の適用を受ける場合の修正申告
- 適格退職年金制度廃止後に継続している退職年金契約
- 底地の取得及び取得対価の額
- 返還を受けた利息制限法の制限超過利息
- 控除対象扶養親族の差替え時期
- 居住を開始した年の途中で転勤命令により転居し、その後に再居住した場合の住宅借入金等特別控除の適用の可否
- 敷地の持分と家屋の持分が異なる場合
- 限定承認をした相続財産から生じる家賃
- 外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い
- 湯治の費用
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。