債務超過の状態にない債務者に対して債権放棄等をした場合|法人税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
債務超過の状態にない債務者に対して債権放棄等をした場合でも、寄附金課税を受けない場合はあるのでしょうか。
【回答要旨】
一般的に、債務超過でない債務者に対して債権放棄等をした場合でも、営業状態や債権放棄等に至った事情等からみて経済合理性を有すると認められる場合には、債権放棄等による経済的利益の供与の額は、寄附金に該当しないものとして法人税法上損金算入が認められます。
例えば、実質的に債務超過でない子会社等の再建等に際して債権放棄等を行う場合としては、次のような場合などが考えられます。
営業を行うために必要な登録、認可、許可等の条件として法令等において一定の財産的基礎を満たすこととされている業種にあっては、仮に赤字決算等のままでは登録等が取り消され、営業の継続が不可能となり倒産に至ることとなるが、これを回避するために財務体質の改善が必要な場合
営業譲渡等による子会社等の整理等に際して、譲受者側等から赤字の圧縮を強く求められている場合
なお、財務諸表上は債務超過でないが資産に多額の含み損があり実質的な債務超過によって経営危機に陥っている子会社等に対して、合理的な再建計画に基づいてやむを得ず債権放棄等を行ったといったような場合は、経済合理性を有することはいうまでもありません。
【関係法令通達】
法人税基本通達9−4−1、9−4−2
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/13/05.htm
関連する質疑応答事例(法人税)
- 一定の水準を満たすものとして地方公共団体の証明を受けた認可外保育施設において公益法人等が行う育児サービス事業に係る収益事業の判定
- 合理的な整理計画又は再建計画とは
- 特定役員引継ぎ要件(みなし役員)の判定
- 合併が行われた場合の棚卸資産の評価方法(合併法人の評価方法に合わせる場合)
- 太陽光発電設備の系統連系に当たり支出するアクセス検討料について
- リボルビング方式の割賦販売に係る費用・収益の帰属時期
- 再建計画の策定中にやむを得ず行う支援の合理性
- 仮決算中間申告における事業所税の未払金計上
- 一般財団法人間の合併に対する適格判定における「事業関連性要件」の判定
- 他人の建物について行った内部造作の減価償却の方法
- 社会保険診療に係る経費の額(寄附金の損金不算入額)
- いわゆる「三角合併」における合併法人が保有する親法人株式に係る課税関係について
- 共同事業要件の場合の株式継続保有要件について
- ゴルフ場について会社更生法の申立てがあった場合のゴルフ会員権に対する貸倒引当金の計上
- 借地権と底地との交換に伴う圧縮記帳
- 分割後に分割承継法人が上場する場合の株式継続保有要件について
- 法人税基本通達9−6−1(3)ロに該当する貸倒損失(特定調停)
- 恒久的施設を有しない外国法人が受領する銀行借入保証料
- 賦課金の運用による付随収入の仮受経理
- 会館建設のための負担金
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。