不動産売買業を営む法人が、土地売買により生じた簿外収益の一部を同法人の実質的代表者に賞与として支給したものと認定し、源泉徴収に係る所得税の納税告知処分をしたことは適法であるとした事例
[所得税法][源泉徴収]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1990/03/29 [所得税法][源泉徴収]裁決事例集 No.39 - 332頁
不動産売買業を営む法人である請求人は、土地の売買により生じた簿外収益の一部とその収益を預け入れた簿外の請求人名義の普通預金の払戻金との合計金員3,200万円余を請求人の会計帳簿に計上せず、かつ、当該土地取引の代金の授受及び簿外普通預金の管理をしていた請求人の代表取締役の夫は、その使途を説明しないのであるが、[1]代表取締役の夫は、請求人の業務の指揮・監督をするなど実質的に請求人の経営の一切を支配しており、かつ、当該土地取引の代金の授受及び簿外普通預金の払出しを自ら行うなど、本件金員を自由に処分できる立場にあったこと、[2]本件金員は、その用途が明らかでないこと、及び[3]本件金員が請求人の費用等に充てられたとする証拠資料はないこと等の事実を総合すれば、本件金員は代表取締役の夫が個人的に費消したものと推認され、したがって、請求人は同人に対し賞与を支給したものと認められるので、その賞与について源泉徴収に係る所得税の納税告知処分をしたことは適法である。
平成2年3月29日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 不動産売買業を営む法人が、土地売買により生じた簿外収益の一部を同法人の実質的代表者に賞与として支給したものと認定し、源泉徴収に係る所得税の納税告知処分をしたことは適法であるとした事例
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