国家賠償等請求事件|平成22(行ウ)61
[税額控除][消費税法][課税取引][非課税取引][仕入税額控除]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成24年11月27日 [税額控除][消費税法][課税取引][非課税取引][仕入税額控除]判示事項
1 社会保険診療等を非課税取引と定めた上,課税期間における課税売上割合が95パーセントに満たない事業者には,その非課税取引の仕入れに係る消費税額について仕入税額控除を認めないという消費税法6条1項,別表第1の6号,7号,30条1項,2項の仕組みが,診療報酬の額を公定価格とする健康保険法76条2項,診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)とあいまって,医療法人等について,一般の事業者と異なり,仕入税額控除あるいは価格の引上げによる転嫁を採ることができないとしていることと憲法14条1項2 平成20年度及び平成22年度の厚生労働大臣の告示による診療報酬改定行為につき,医療法人等が負担する仕入税額相当額の適正な転嫁という点に配慮しているとして,国家賠償請求が棄却された事例
裁判要旨
1 社会保険診療等を非課税取引と定めた上,課税期間における課税売上割合が95パーセントに満たない事業者には,その非課税取引の仕入れに係る消費税額について仕入税額控除を認めないという消費税法6条1項,別表第1の6号,7号,30条1項,2項の仕組みが,診療報酬の額を公定価格とする健康保険法76条2項,診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)とあいまって,医療法人等について,一般の事業者と異なり,仕入税額控除あるいは価格の引上げによる転嫁を採ることができないとしていることは,医療法人等に対する仕入税額相当額の負担の転嫁等に関する権利の制限を伴うものではなく,法制度上,当該区別を解消するための代替手段も確保されているから,立法裁量として許容することができないほどの不合理な差別的取扱いに当たるとは解せず,憲法14条1項に違反しない。2 平成20年度及び平成22年度の厚生労働大臣の告示による診療報酬改定行為の違法を理由とする国家賠償請求につき,厚生労働大臣は医療法人等が負担する仕入税額相当額の適正な転嫁という点に配慮した診療報酬改定をすべき義務を負うものと解するのが相当であるが,前記改定行為は,その点に配慮しているものというべきであり,裁量権を逸脱又は濫用するものではなく,国家賠償法1条1項の適用上違法と評価できないとした事例
- 裁判所名
- 神戸地方裁判所
- 事件番号
- 平成22(行ウ)61
- 事件名
- 国家賠償等請求事件
- 裁判年月日
- 平成24年11月27日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 国家賠償等請求事件|平成22(行ウ)61
関連するカテゴリー
関連する裁決事例(税額控除>消費税法>課税取引>非課税取引>仕入税額控除)
- 個別対応方式による仕入税額控除額の計算に当たり、一括仕入れの調剤薬品等の仕入れを共通売上対応分であるとした用途区分に区分誤りはなかったとした事例
- 事業者が販売したことによる自己の商品代金債権を信販会社に譲渡等することに伴い支払う手数料は、消費税法上の非課税取引に該当するとした事例
- 簡易課税制度選択届出書の提出は錯誤によるものであり無効であるとの主張を認めなかった事例
- 軽油引取税の特別徴収義務者ではない者から軽油を引き取る者が支払う軽油引取税相当額は、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するとした事例
- 簡易課税制度選択事業者が、消費税の経理処理につき税抜経理方式をとっているからといって、本則課税による仕入れ税額控除が認められることにはならないとした事例
- 簡易課税選択後2年間は、本則課税の適用はできないとした事例
- 事業を廃止した場合において、簡易課税制度選択の届出の効力が失われるのは事業廃止届出書の提出があった日の属する課税期間の末日の翌日であり、事業を廃止した日の属する課税期間の末日の翌日と解することはできないとした事例
- 海砂を採取する権利の取得に際し、利害関係のある漁業協同組合の同意を得るために支払った漁場迷惑料は、仕入税額控除の対象となる課税仕入れの対価とはならないとした事例
- 絵画美術品の仕入先元帳等に記載された取引の相手方の氏名又は名称について、その氏名又は名称が虚偽のものと推定されるとして、消費税の仕入税額控除を適用することはできないとした事例
- 悉皆業(白生地卸売業及び染色加工に係る事業)は、「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供事業」に該当し、第四種事業に当たるとした事例
- 米軍基地内における資産の譲渡等は非課税取引に該当するとした事例(平22.5.1〜平24.4.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平成26年5月8日裁決)
- 控除対象仕入税額の計算方法につき個別対応方式を選択してなされた申告に対して、課税仕入れの用途区分が誤っているとして同方式により再計算して行われた更正処分につき、錯誤を理由として一括比例配分方式に選択を変更して控除対象仕入税額の再計算を行うべきとして、その違法性を主張することは許されないとした事例
- 請求人が取得したマンションの売買代金の支払日、所有権移転登記をした日、抵当権が設定された日、合鍵等の引渡しの日等によれば、当該マンションは本件課税期間より前に引渡しを受けたものと認められるから、当該マンションの取得は本件課税期間の課税仕入れには該当しないと判断した事例
- 原材料等の有償支給を受けて行う自動車部品の加工は製造業に当たるとした事例
- 仕入れに係る歩引き及び売上げに係る歩引きは、金融取引(非課税取引)に該当せず、消費税法第32条第1項及び同法第38条第1項に規定する「対価の返還等」に該当するとした事例
- 請求人が提示した出面帳に記載された事項のうち、法定記載要件を具備している部分については、課税仕入れ等の税額に係る帳簿に該当するとして、消費税の納付すべき税額の計算上、当該部分に係る仕入税額控除の適用を認めた事例
- 請求人が取得した賃貸用建物は課税期間内に引渡しを受けているから消費税の仕入税額控除を認めるべきであるとした事例
- 外国法人から日本における独占販売権を取得した取引は国外取引であり、その対価の支払いは課税仕入れに該当しないとした事例
- 請求人が、出向契約に基づいて支払った本件業務分担金は、消費税法第2条第1項第12号のかっこ書に規定する「給与等を対価とする役務の提供によるもの」に該当するから、仕入税額控除の対象にはならないとした事例
- 横断地下道の便益は、請求人のように負担金を支払った者のみが支払っていない者に比して有利な条件で利用できるものとなっていないので、課税仕入れに該当しないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。